出版社内容情報
一日百円で何でもあずかってくれる風変わりなお店「あずかりやさん」。今日もまた、さまざまな秘密を抱えた人がのれんをくぐる……
内容説明
「一日百円で、どんなものでも預かります」。東京の下町にある商店街のはじでひっそりと営業する「あずかりやさん」。店を訪れる客たちは、さまざまな事情を抱えて「あるもの」を預けようとするのだが…。「猫弁」シリーズで大人気の著者が紡ぐ、ほっこり温かな人情物語。
著者等紹介
大山淳子[オオヤマジュンコ]
東京都生まれ。2006年『三日月夜話』で城戸賞入選。2008年『通夜女』で函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞グランプリ。2011年『猫弁 死体の身代金』でTBS・講談社第3回ドラマ原作大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
535
長いこと積んでいたが、こんな時だからこその「やさしいお話」。舞台は東京下町、主人公は目の見えないあずかりやさんの彼で、語り手は主人公の周辺にある「モノや動物」たち。のれんだったり、ガラスケースだったり、白猫だったり。主人公の真摯で誠実な生き方に惹かれ、ハートフルなお話に癒されるとともに、全編通じてお話が少しずつ繋がっているのが好ましい。わたしだったら一日100円出して、なにをあずかってもらおうかな。2020/05/08
三代目 びあだいまおう
318
盲目の店主が始めたのは何でも1日100円でお預かりするお店。書類や鞄から、果ては生き物や骨壺まで。のれんやショーケース、猫など所謂『モノ』が語り手となり、それぞれの様々な思いや性格が作品にほっこり感を与える。預ける人には預けるだけの理由があるのだが店主は何も尋ねないし話してくれば全部聞く。預けたことで不思議と温かな癒しが生まれ、優しさが作品全体を覆う!目の見えない店主だからこそ見える『大切なもの』そう、星の王子様の世界観と似た、ほっこり素敵な人情物語です。エピローグ、最後に一滴の落涙が心地好かった‼️🙇2019/09/17
hitomi.s
266
易しい優しい話でした。きっと別な視点から眺めると、苦しさや重たさはあるのだとおもう。だからこそ、ひと一人がつくる空間の沁みることったらないわ。声のおおきいひと(声量でない部分も含めて。)や、声に出せるひとの影響力にほんとに疲れていたところだったので、この本のなかの世界観に息が出来ました。ふー。2017/11/03
mae.dat
233
不思議な設定でね。表題作から始まる連作短編なんですけど、もの又はねこ一人称目線なの。各話が緩く、時には強く結び付いていたり、時間軸も飛んでいたり。最終話は特別収録だからしょうがないかとも思うけど、続巻も出てて、それらは時間の戻った話も収録されているのではないでしょうかね。店主の人柄が全ての様な気がします( ¨̮ )が、物品、又は動物を預かる事で、ストーリーが膨らむとはね。静かに、ゆったり、心が和むお話でした。1話だけ怪しいけど。明確な結論は控えられているの。後日談あるのかしら?2022/05/24
直人
179
大山淳子さん? 誰?──という感じだったんだが,沢尻エリカ主演映画『猫は抱くもの』の原作者だったんだ? なんとなく表紙に惹かれて買って,読んでみた。 "社長”(という名の猫)がとてもいい味を出している。 うちにもいてほしい感。 連作集になっているので,通勤のお供として読みやすい。 "オルゴール”の話は,心に沁みた。2018/09/14