出版社内容情報
少女と祖母が見つけた小さな卵から生まれたのは一羽のオカメインコだった――。一羽の小鳥が結ぶ、懸命に生きる人々の絆の物語。
内容説明
少女と祖母が大切に温めた卵から孵ったのは一羽のオカメインコだった。二人はリボンと名づけ、かわいがって育てるが、ある日リボンは飛び立っていってしまう。その後リボンと出会った人々は、この小鳥に心を寄せることで、生きる力を取り戻していく。人々の絆を描く感動作。
著者等紹介
小川糸[オガワイト]
1973年生まれ。食や旅のエッセイや絵本の翻訳など、精力的な執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SJW
140
小学生のひばりちゃんと祖母が卵を暖めて、オカメインコがかえった。二人はリボンと名付け大事に育てていたが、ある日逃げられてしまう。その後、リボンと出会う人たちはリボンと共に過ごし、安らぎと生きる力を与えられていく。自分も小学生の時に鳥を飼っていて、同じように育てたことを思い出し懐かしんでしまった。2020/05/22
優希
108
1匹の小鳥が幸せを運んでいるように思いました。少女と祖母が大切にしていたオカメインコのリボンがある日飛び立ってしまうのが少し寂しさを感じました。でも、リボンは行く先々で様々な人たちと出会い、リボンと出会った人たちは心を寄せて幸せになっていくのに心がじんわりあたたかくなりました。人々の絆を結ぶためにリボンは生まれて来たのかもしれません。素敵な作品でした。ただ、孫が自分の祖母を「すみれちゃん」と呼ぶのに違和感がありました。2016/04/28
さてさて
92
読む前からは全く読後感が予想できなかったこの作品。単にインコの絵だ、としか思わなかった表紙の黄色いオカメインコのイラストが、読後、全く違う見え方をするこの作品。可愛いインコのイラストの先にこんなに奥深い世界が広がっているとはまさか思いませんでした。 『切なくてあったかいものが広がってきた』読後感、小川さんの素晴らしい傑作だと思いました。ありがとうございました。 2020/10/05
ふう
90
表紙の刺繍のように、1羽のインコが人の心と小さな幸せとを繋ぐ、温かくてすてきな作品でした。守られていた手から翔び立って見た世界は、大きくて自由で、はじめは陽ざしや風がとても心地良く感じられます。でも、苦しいことや辛いことも多く、傷つくこともたくさん。インコのリボンが出会った人々も、それぞれに困難や悲しみを抱えて生きています。それでも、「大丈夫。包んでくれていた手の温もりは、今もあなたの心に残っていて、一人ぼっちじゃない、大切な人とちゃんと繋がっているから。」と、リボンが語りかけてくれます。2015/11/11
yanae
79
久々の小川糸さん♥️素敵なお話でした。オカメインコのリボンは卵のときからすみれさんとひばりちゃんに愛情たっぷりに育てられる。最初はリボンの誕生と成長が描かれるが、ある時リボンは世界に旅たつ。外の世界に出てからは、自分がもらった愛情を他のであった人たちに配っていく。後半はリボンと関わった人がみんな幸せになる様子が描かれる。個人的には作家先生のスエヒロのお話がダントツで好き♥️出会った人たちに必要な言葉がぽろっとリボンから出てくるのが素敵。教えてもらった言葉が生きてる。最後は奇跡が…。心が暖まりました。2018/01/27