出版社内容情報
吉田茂の「遺訓」に暗示された隊員たちの未来。激変する時代環境のなかで自衛隊はどう変貌したか。迫真のノンフィクション!
内容説明
引き裂かれた現実が告げる日本人の「それから」。吉田茂の「遺訓」に暗示された隊員たちの行く末。自衛隊という「沈黙の組織」の変遷を通し、「国家と戦力」という回避された議論の核心を問う。
目次
1 地下鉄サリン事件と陸幕長
2 別命あるまで開封を禁ず
3 防衛庁長官の決断
4 三島由紀夫と「青年将校」
5 消えた「治安行動教範」
6 警察と自衛隊
7 吉田茂の「遺訓」
8 自衛隊の60年
9 集団的自衛権と日本人
著者等紹介
瀧野隆浩[タキノタカヒロ]
1960年、長崎県佐世保市生まれ。毎日新聞社会部編集委員。防衛大学校卒業、毎日新聞社に入社、社会部記者として宮崎勤事件等を担当した後、「サンデー毎日」編集次長。夕刊編集次長、前橋支局長などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
夕月
7
賛否はともかく、非常に興味深く読んだ。国家とはどうあるべきか、自衛隊とは何のためにいるのか、とても考えさせられた。いろいろと考えるところのある集団的自衛権だが、偏見なく生理的な好き嫌いでもなく、しっかりとした知識を持って考えていきたいと思う。まずは現状を知らなければ。2016/02/20
ともがら
5
「日陰者だが・・・国家のために忍び耐え頑張ってもらいたい」 この、あの吉田茂氏のことばに、なにより感銘を受けた きちんと平和のための国軍にしてやってほしいと思っている2017/04/25
lily
5
自衛官の葛藤を、地下鉄サリン事件から集団的自衛権行使容認にいたるまでのおよそ60年にわたって綴っている。「違憲の存在」「税金泥棒」と罵られた不遇の時期から、国民に愛される組織を目指し、災害派遣などで高い評価を得るまでには多くの苦悩があったのだと考えさせられた。「ショー・ザ・フラッグ」「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」とアメリカに結果を求められ、米国との関係を見据えた上で、集団的自衛権は限定容認された。最前線に立つ彼らを思い、これからも議論を尽くすことが国民の使命であると考える。2015/08/09
犬養三千代
3
興味深い一冊。地下鉄サリン事件、三島由紀夫事件など自衛隊の60年をの歩みが綴られている。 危機に向き合わない政治のツケはいつも自衛隊にくる。東日本大震災、福島原発爆発しかり。福島では世界で初めての上空からの放水。忘れてはならない。感謝と共に!2015/07/28
蟹
3
防大出身の記者による、治安出動をめぐる自衛隊史。「自衛隊は逆風で鍛えられた」というのは、忘れられてはならないことだと思う。しかし、「防大1期生卒業式の訓辞」と巷間に流布していた吉田茂の言葉が、主に平間洋一の記憶によるものだったとは…知らなかったというか…2015/06/28




