出版社内容情報
30年以上の時を経て、著者渾身の作品がよみがえります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吉田あや
45
片目を隠す為、片時も望遠鏡を手放さない女の子・チコ。ある日出掛けようとすると望遠鏡の方からチコの眼にくっつき離れない。否応なしに望遠鏡が焦点を合わせる光景を見るしかなくなったチコの眼に映ったのは、部屋を飛び出し、鳥や雲を越え、空の青、そして星の瞬く真っ暗な宙へ。星との対話で過去と未来の境目、一瞬の”点”である今に思いを馳せてゆくことに。辛い現実を見つめない心は常に自分から乖離し、今を捉えることも今と歩調を合わせることも出来ない。(⇒)2023/11/15
olide
15
「この絵本は心の宇宙のお話です。あとは あなたの思いをめぐらす速さにのるだけです。」 著者渾身の作品と言うだけあって、今までで一番難解。引き寄せられるのか、引き寄せているのか、一瞬でも力を抜くと足元の感覚がなくなるよう。この空間にいる間、私も土星に焦がれている。2014/11/25
わちゃこ
4
ねずみくんシリーズ著者のご夫妻が作られた本。ねずみくんとはあまりにも違う作風に驚き。黒の背景と、不思議な絵に惹きつけられます。私には難解な本です。2019/11/23
てるちょこ
4
持ち運ぶなょ!と言いたげなどデカい大判絵本。 惹かれて、見出して、滅してゆく。 望遠鏡という舟を漕ぎ、道を選ぶ。 受身から行動していく反動が描かれてる。2018/10/05
猿田彦
4
美しいけれど主人公のチコの表情が読み取れず暗く不気味な空間です。星を擬人化して描くとこうなるのかと感心しました。望遠鏡に連れられて、星の最後を見たチコが自分の部屋に戻ると同時に、力を使い果たした望遠鏡が壊れましたが、その後もチコは自分の斜視を隠すため望遠鏡を使い続けるのでしょうか。 2017/07/25