ポプラ新書
自爆営業―その恐るべき実態と対策

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  • サイズ 新書判/ページ数 228p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784591140277
  • NDC分類 673.3
  • Cコード C0236

出版社内容情報

各業界に広がる「自腹でノルマ」の
恐るべき実態と対策を初めて暴く!

昨年11月、菅官房長官の異例のコメントで
大きな話題となった「自爆営業」。
郵便局員の年賀はがきノルマ達成のための
金券ショップへの持ち込みがきっかけに。
1万枚もの年賀はがきを持ち込むケースも。
そうなると、7万円近く自腹を切ることになります。

しかも、この悪弊はさまざまな業種に蔓延しており
私たちを追い詰めています。
その恐るべき実態とどう対処すればいいかを
初めて一冊にまとめます。

著者は5年以前から「自爆営業」の取材を続けています。
郵便局内での「反省文」「お立ち台」…
その恐るべきリアルな実態には誰もが戦慄するはずです。

●コンビニエンスストア(アルバイト)
一個3000円のクリスマスケーキのノルマが各人17個。
お歳暮も同様のノルマ。達成できないと自腹を切らされる。

●アパレル
毎月、自腹で自社製品を「試販」として交わされる。
新店舗の売り上げをアップさせるためと全社員から
現金2万円を徴収されたこともある。

●紳士服量販店
自宅には、自社のスーツがあふれ、
ある店長は数百万円自腹を切ったという。

●外食チェーン
消費期限切れの食品を自腹で買い取らされる。
高いステーキ肉なのに捨てたことがある。

(あとがきより)
自爆営業が行われている会社は、
赤字の穴を社員の懐で埋めようとする。
これがまかり通るのは、
一つには理不尽な社是に従う労働者がいるから。
一つには、パワハラや懐柔などでもって、
社員を自分の意に従う奴隷のごとくの
存在に仕立て上げる経営者がいるから。
この二つは、コインの表と裏だ。

私が自爆営業を取材して痛感したのは、
自爆営業は、経営難への方策などではなく、
絶対に間違っているということだ。
自爆営業には、パワハラや長時間サービス残業、
低賃金などの問題がつきまとう。
その結果、いったいどれだけ多くの人が、
心と尊厳を傷つけられ、体が悲鳴を上げ、
精神を病み、休職に追い込まれたことだろうか。

自分や家族が生きるためと思って受忍した自爆営業が、
結局は、自身の心、肉体、精神や生活を破壊させる。
しなければよかったと後悔したときには遅い。

●第1章
郵便局にはびこる自爆営業?その恐るべき実態

●第2章
なぜ、自爆営業をしなればならないのか

●第3章
他業種での自爆営業?日本中にはびこる自爆営業の実態

●第4章
自爆営業の背景にあるもの

●第5章
自爆営業を拒否するために?その具体的な対策

●第6章(18p)
自爆営業は必要ない?社員の幸せとともに成長する会社

内容説明

誰もが会社での自己実現を夢見て入社するが、組織によっては利益を優先するあまり理不尽な労働環境を強いる。それに順応できない人は、経済的に圧迫され精神を病み、休職や退職…ついには自殺に追い込まれることもある。本書では、各業界の自爆営業の実態を明らかにし、そこから脱出するための具体的な方策を提示する。

目次

第1章 全国の郵便局にはびこる自爆営業
第2章 なぜ自爆営業をしなければならないのか
第3章 他業種に広がる自爆営業
第4章 自爆営業の背景にあるもの
第5章 自爆営業を拒否するために
第6章 自爆営業は必要ない

著者等紹介

樫田秀樹[カシダヒデキ]
1959年、北海道生まれ。岩手大学卒業後、NGOのスタッフとしてソマリアの難民キャンプで2年間活動したあと、マレーシア・ボルネオ島の熱帯林の先住民族と関わったことを機に、マスコミが扱わない環境問題や社会問題などの取材活動に入る。ハンセン病を描いたルポ「雲外蒼天」で第一回週刊金曜日ルポルタージュ大賞報告文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます

24
さばけないほどの自社商品の販売ノルマを課され、売れ残りを自腹で負担させられる“自爆営業”なるものの実態と、それを生み出す構造に迫った一冊。安定した雇用に就くために、評価を下げたくないと“自爆”に走る人たちの置かれた立場の弱さに切なくなると同時に、そこにつけ込むような経営がまかり通っていることに暗然たる思いがしてならない。ただ、単に現状を告発するだけにとどまらず、そんな実態を良しとしない人たちや企業の姿も描き、解決の方向性をしっかりと考えさせてもくれるところがいい。“自爆”に苦しむ人たちにぜひ読んでほしい。2014/06/28

けんとまん1007

22
凄まじい事実がある。ここでは郵便が主たる題材として描かれているが、共通するものがある。非正規雇用との関係だ。横のつながりを消し、孤立化させることで、その口を個別に塞ぐというやり方。企業対個人では、個人に勝ち目が薄いのは当然の理でもある。最後のほうに出てきた、この正反対の企業との対比がわかりやすい。企業の存在意義はどこにあるのか?ということ。基本は、社員の雇用を守り、それを通して社会に貢献するのが、本来のあるべき姿だと思う。そこに軸足をおくかどうかだ。2015/08/14

おかむら

16
年賀はがきの自腹買い取りの実態ほか。うーむヒドイわ郵便局。街行く配達員の人もみんなこんななの?そういえば佐川とかより疲れてる人多いかも。それにしても年賀はがき、毎年出す人減ってるはずなのに発行枚数増やすのはどう考えても大きく間違ってるよな!誰が決めるの枚数、バカなのその人?2014/06/06

coolflat

7
自爆営業。年賀状販売のノルマを達成するため自腹を切ること。年賀状だけに留まらない。かもめーるやふるさと小包など毎月ノルマを課される。自爆営業が起こる現場では、パワハラ、長時間残業サービス、懲罰が横行する。なぜこんな事態に至ったかと言えば、郵政民営化がその最たる理由だ。利益優先。経費削減。出費を削り、人員を減らし、給与を減らす。全体の作業量は変わらないのに全部を断行すれば一人当たりの作業量が増える。そして現場で事故が起こる。郵便局は末端局員の自己犠牲の上に成り立っている。郵政民営化の成れの果てがここにある。2014/07/21

どら猫さとっち

7
これまでのブラック企業は、まだ序の口だったのか!!とにかく猛烈に腹が立った!自腹で自社の製品を購入しなければいけないのか。これでは、人間らしい働き方も生き方もできないじゃないか!!最後には、本来の働き方を貫いている会社が紹介されて、希望が見えてくる。もう自爆営業なんかいらない!こういう働き方がまかり通る企業をなくし、安心して生きていける会社がもっと世に出てきて欲しい!2014/06/02

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