出版社内容情報
古代エジプト人の信仰と埋葬の関係性、ミイラの作り方などだけでなく、庶民の埋葬習慣についても詳しく触れた一冊。
内容説明
ピラミッドを始めとする古代エジプトの遺跡群の多くは「死」に関係しているが、当時の人々は何を思い、特徴的な埋葬習慣を作り上げていったのだろうか。死生観や葬儀のながれ、ミイラ作りのコストなど経済的側面について述べるとともに、今まであまり語られることのなかった王やエリート層以外の庶民の埋葬習慣についても詳しく触れた一冊。
目次
第1章 自然環境と死生観の形成
第2章 来世の世界
第3章 葬儀
第4章 墓を造る
第5章 死者とともに―副葬品の意味
第6章 来世の値段
第7章 庶民と死
著者等紹介
和田浩一郎[ワダコウイチロウ]
1968年、青森県弘前市生まれ。英国・スウォンジー大学古典古代史学部大学院修士課程、國學院大學文学研究科博士課程修了。博士(歴史学)。早稲田大学古代エジプト調査室(現エジプト学研究所)嘱託、サイバー大学世界遺産学部助手を経て、現在、同大学世界遺産学部専任講師。1989年より早稲田大学のエジプト調査に加わり、サッカラ、ダハシュール、ルクソール西岸などで発掘調査を経験する。埋葬習慣からみた庶民の動向、周辺地域とエジプトの交流などに関心を持ち、研究をおこなっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シルク
10
むかーし、ヨーロッパで、エジプトのミイラを薬として摂取したり(おぇえええ。。)してた…というのは、聞いたことがあった。…なぜに? と思っていたのだが、この本は「にゃるへそ」な説明をくれる。すなわち、中世ヨーロッパで、万能薬として崇められていたビチュメン(瀝青)という鉱物物質があった。これ、ある種の皮膚病に実際効果があるそうな。ビチュメンの産地は西アジア地域で、ヨーロッパへの供給はわずか。そんな折、樹脂でツヤツヤ黒光りしてたミイラを、ヨーロッパ人達は「ビチュメンが塗布されとる!」と、思っちゃったんだってさ。2023/06/02
Koning
5
タイトル通り、古王朝から末期王朝以降まで古代エジプトの埋葬に関するあれこれをという本。某所のレビューで「他の本で書いてある事が多くて」ってあったんだけど、この手の初めてって人にはいいんじゃないかな?って感じ。某Y村子分ぽい感じで早稲田>サイバーという経歴を見てやべえか?と思ったけれど、中身はとてもマトモでした。2014/05/15
はんじゅく
2
よくテレビで特集されている古代エジプトについてじっくり知ることができた。非常に丁寧で儀式を大事にした埋葬文化が詳細に記されている。埋葬することに込められた意味や手順、階層によって変わる扱いなど、新鮮。2025/07/05
ももこ
2
古代エジプトの埋葬について死生観や宗教観、当時の慣習などがわかりやすく解説されている。ファラオの埋葬についてはいろいろなところで扱われているが当時の一般民について述べられていたのが大変興味深かった。2021/04/18
えんもん
2
良くも悪くも、タイトル通り。もっとミイラの作り方に関してもっと詳しいのが欲しかったなと思う。でも歴史的背景に関してはものっすっごい細かい。けど、私的にはミイラをもっと知りたかった。2014/07/02
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