ポプラ新書
孤独な死体―法医学で読み解く日本の今

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  • サイズ 新書判/ページ数 184p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784591139417
  • NDC分類 498.9
  • Cコード C0295

出版社内容情報

死体の声に耳を傾け、死から生を見つめ続けてきた孤高の法医学者・上野正彦。過酷な現代を生き抜くための命の書がここに誕生。

内容説明

誰よりも死体と向き合い、死から生を見つめてきた孤高の法医学者・上野正彦。いじめによる自殺、虐待、介護殺人、過労死…現代の日本の暗黒面を象徴するようなこれらの死に、稀代の法医学者が挑む。社会から疎外され、孤独に死んでいった死体たちは、私たちに何を語るのか。そして私たちはそこから何を学ばなければいけないのか。社会に殺されないための命の書がここに誕生。

目次

第1章 子どもの自殺は他殺ではないか
第2章 家の中で死んでいく子どもたち
第3章 高齢者たちの悲惨な最期
第4章 過労という見えない死因
第5章 監察医が見抜いた殺人、見抜けなかった殺人
第6章 予防医学としての法医学

著者等紹介

上野正彦[ウエノマサヒコ]
1929年生まれ、茨城県出身。法医学者。1954年、東邦医科大学卒業後、日本大学医学部法医学教室に入る。1959年、東京都監察医務院に入り監察医となり、84年には同院長となる。1989年、同院長を退官。退官後に執筆した『死体は語る』が大ベストセラーとなり、以後テレビ、雑誌など多方面で活躍。これまでに解剖した死体は5,000体、検死数は20,000体を超えており法医学の第一人者である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

M

95
上野先生の著書、前回読んだものとの重複箇所がわりとあり、二倍速読。例えば会社が保険金のために遺族へ良きに計らう、例えば遺族が世間体のために死因を誤魔化す、など、悪意のない嘘で葬られそうになるご遺体にも、法の秩序を守るためや、亡くなられたご本人の思いを掬うために、真の死因を暴く、その監察医としての使命感に頭が下がる思いです。2017/04/02

Gummo

32
30年にわたり監察医を務め、2万体以上の死体と向き合ってきた著者だからこそ見えてくる真実がある。他殺を自殺や事故と見せかける場合のように、悪意をもって本当の死因を隠そうとする嘘を見破るのは痛快だけれど、善意の嘘をも見破ってしまうのは悲しかった。現在、監察医制度があるのは5都市のみ。多くのことが見逃されてしまっているのではないだろうか。お尻叩きが命取りになることもあるというのには吃驚。ケツバットなんてもっての外だな。★★★☆☆2014/04/05

紅花

6
著者の言わんとすることはよく分かる。社会に投げかけたい問いもわかる。だけど、もう少し掘り下げて欲しいと思う。それに、あまりにも一方的に感じる。老人の自殺を「若い人が悪い」と言わんばかりには閉口してしまう。社会問題を語るのならば、もっと両方の意見を聞くべきなのでは?もし、法医学の立場だけで物を言うならば、死体が如何に誤魔化せないか、悪いことをしても必ず罰が当たるよ。みたいな事を言った方が、訴える物が多かったのでは無いかとも思う。ちょっと物足りないなぁ・・2014/03/10

ジョージ

3
子どもの自殺は他殺、深く同意★2020/10/15

TOMTOM

2
先に『法医学事件簿』を読んでからのこの本だと、パワーが落ちるなあ。2022/08/01

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