出版社内容情報
子どもたちの未来と希望のためにおくる3編、「ねんどの神さま」「八月の髪かざり」「The End of the World」を
内容説明
太平洋戦争がおわって一年、山の中の小学校で、ある少年が、ふしぎなねんど細工をつくった。それは、戦争をおこしたり戦争で金もうけする悪いやつをやっつける神さまだという。それから、長い年月がながれ…。表題作「ねんどの神さま」はじめ、戦争、平和についての作者の深い思いを伝える三作。
著者等紹介
那須正幹[ナスマサモト]
1942年、広島に生まれる。島根農科大学林学科卒業後、文筆生活にはいる。1972年に『首なし地ぞうの宝』(学習研究社)でデビュー。子どもたちの熱烈な支持を集めた「ズッコケ三人組」シリーズ(ポプラ社)で巖谷小波文芸賞を受賞。ほかにも『ズッコケ三人組のバック・トゥ・ザ・フューチャー』(野間児童文芸賞)、『さぎ師たちの空』(路傍の石文学賞)、「ヒロシマ三部作」(日本児童文学者協会賞・以上ポプラ社)、「お江戸の百太郎」シリーズ(日本児童文学者協会賞・岩崎書店)など、多数の作品がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とよぽん
39
絵本の方は図書館に入っていなかったので、童話集を。表題作を含む3篇を収録。全て戦争に関連する話だった。『ねんどの神さま』は少年の頃の純真さを失い、欲に目のくらんだ浅ましい大人のどうしようもない姿を描いている。『八月の髪かざり』の後半、人形が完成に近づくにつれて泣けてきた。最後の『The End of the World』は核戦争の果てを見せられ、那須さんの強烈な念を感じた。あとがき「あの日から」には、那須さんの原点が真っ直ぐに表明されていた。2021/09/04
スイ
13
戦争を描いた3作品、「ねんどの神さま」「八月の髪かざり」「The End of the World」を集めたもの。 「ねんどの神さま」は以前から聞いており、結末も知っていたのだけど、やはり鳩尾を殴られて息が詰まるようだった。 しかし今の社会を見ると、日本は作ったねんどの神さまを壊してしまうどころか、実はそもそも作ってさえいなかったのかと暗澹たる気持ちになってしまう。 「八月の髪かざり」は那須さん自身の被爆体験も込めて書かれたのが伝わる、原爆から生き残った女性の話。 髪かざりについてのやりとりが、子どもって2022/08/06
ヒラP@ehon.gohon
12
「ねんどの神さま」、「八月の髪かざり」は再読になりますが、初めて読む最後の「The End of the World 」でショックのだめ押しをされました。 那須正幹さんのどちらかというとユーモアな作品とはまったく異なり、戦争に対する怒りと、反戦の主張が凝縮された作品集です。 それぞれにシニカルな内容が心に突き刺さります。 この作品を読まなければ、広島原爆の被爆者である那須さんの本当の姿はわからないのかも知れません。 避けて通らずに、子どもたちには是非とも読んで欲しい作品集です。2017/03/30
山崎にう
6
図書館本。新聞書評欄に表題作「ねんどの神さま」が紹介されており、借りる。結末に賛否両論があるようだけれど、確かに、モヤモヤの残る終わり方。しかし、作者は意図的にモヤモヤを残して、読者に考えて欲しいんだ、と思う。スッキリした結末にして忘れて欲しくなかったんだろうな。他、夫の死後、広島にUターン移住した老女が八月六日の朝に家を出たきり帰ってこなかった姉との思い出を振り返る「八月の髪かざり」、世界核戦争により荒廃した地上から地下シェルターに避難した少年の物語「The end of the Word」を収録。2021/10/18
takao
2
ふむ2025/03/27