内容説明
父親なんて、いらない―。偉大過ぎる父親の重圧、母親を苦しめる父親への憎しみ、ファザコンの娘、父親嫌いの息子、不在の父親を求め続ける子…。あなたの人生を知らずしらず支配する「父という病」の呪縛を解け!話題騒然のベストセラー『母という病』に続く、もう一つの真実。長年、親子関係を見つめてきた精神科医が贈る、覚醒と救済の書!
目次
第1章 愛着対象としての父親
第2章 瀕死のエディプス
第3章 自我理想としての父親
第4章 父親不在症候群
第5章 父親を求めて
第6章 放逐される父親 父親は悪者か?
第7章 永遠の父親
著者等紹介
岡田尊司[オカダタカシ]
1960年、香川県生まれ。精神科医、作家。医学博士。東京大学哲学科中退。京都大学医学部卒。京都大学大学院医学研究科修了。長年、京都医療少年院に勤務した後、岡田クリニック開業。現在、岡田クリニック院長。パーソナリティ障害、発達障害治療の最前線に立ち、臨床医として若者の心の問題に向かい合う。また、作家、小笠原慧としても活動。作品に、横溝賞を受賞した『DZ』(角川文庫)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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美登利
52
作者は精神科医でパーソナリティ障害の人々と向き合ってきた中での一冊である。母という病を読まずに借りてみましたが、とても分かりやすく書かれています。海外の有名な作家、芸術家などを例に取ったり、診察に訪れている人の家庭の問題点もズバリついています。母親だけではダメでその反対だけでもダメ、両方から過保護すぎず放任し過ぎず平等に愛情を与えられたら、成功者にもなりやすい。親を反面教師として成功する場合も無きにしもあらずですが。どちらも大切ということです。血のつながりがなくても父母と同様の愛を受けられれば良いのです。2014/05/28
のんすけ
33
前作の『母という病』に感じるところもあって図書館にて借りてみる。途中までは父と息子の関係性に重点を置いているように感じたものの、父親不在症候群の章は思い当たることが多く考えさせられた。父親の顔を知らずに育ち思春期に実父に再度捨てられた自分、娘たちから父親を遠ざけた自分。この気づきが今後の娘たちへの接し方に生きればと思う。2015/04/12
ヒデミン@もも
29
岡田尊司さんは、東京大学哲学科中退、京都大学医学部卒という経歴のためか、哲学的な思考が多くてわかりやすい。両親の存在は大きい。人生の半ばを迎え両親を亡くした現在もいろいろと考えることがある。いつまでも親の支配を感じることはないけれど親の目は感じている。子どもたちには、しっかりと自立をして自分の道を歩んで欲しい。2015/03/04
aloha0307
19
卓袱台ひっくり返しの星一徹ならぬ、昭和の我が家は父親の権威は圧倒的だった。防衛庁勤務 体罰はごく当り前...いっぽう己が父になってみると、その対照には驚きを禁じえない。 権威不在の近年...母子密着と、疎外されてしまう父親像が顕在化している。 父親を否定する母親の”洗脳”が子供に与える悪影響はその子の異性・職場関係まで及んでしまうのではないか。母親が子供の存在の根本的安定に関わるのに対して、父は人生の方向性や社会への関与を教えていかねばな(成功&失敗両方引っ括めてね)。 2015/06/06
Mik.Vicky
17
私も人の子・そして人の親。両方の立場で興味深く読んだ。父親は元気だがもう高齢であと、10年もすれば見送らなければならないと思う。息子はもうすぐ独立するはず・・・娘はもう高校生。今までの父としての関わり方が彼らに及ぼす影響は・・・とても気になる。2021/05/17