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内容説明
砲弾で右手を失った6歳の少女ムス。少年兵にされた13歳のモモと14歳のファヤ。戦争は、子どもたちから何を奪っていったのでしょう?報道カメラマン・高橋邦典が、アフリカの小さな国リベリアの戦場で出会った子どもたちの10年間を描きます。
目次
モモ―十三歳の兵士
リベリアとぼく
ムス―右手を失った少女
ファヤ―「クイック・トゥー・キル(早殺し)」とよばれて
戦争がのこしたもの
著者等紹介
高橋邦典[タカハシクニノリ]
1966年宮城県生まれ。1990年渡米。ボストン・ヘラルド紙、シカゴ・トリビューン紙で勤務後、2009年からフリーランスとしてインド/ムンバイに拠点を置き、活動している。World Press Photo Picture of the Year Internationalなど受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
62
次男が図書館から借りた本を、何気に手に取る・・・。心身に負う傷。時間が癒すことはなく、傷との向き合い方を如何に身に纏うかが、唯一の自身を守る術。但し、言うは易く行うは難し。酒、薬、暴力・・・。モモ、ムス、そしてファヤ、三者三様の心情変化に思わずウルッとくる。本著でも度々でる『運命』という言葉。嫌な響き。公平性という夢は見ないが、せめて尊厳が守られる世の中にならないかと切に願うのみ。次男も次男なりに何かを感じて欲しいし、その何かを大切にして欲しいなぁ。2016/12/26
ヒラP@ehon.gohon
21
カバーの写真に写るあどけない少女の右腕がないことに気づいて、この本の中に吸い込まれてしまいました。 戦争に巻き込まれた彼らは、戦争の被害者としてだけではなく、戦争への加担者としても生き延びてきました。 戦争がなかったら、壊れることのなかった家族や、生活観が予想もできないほどに様変わりしても、生きてきた彼ら。 ジャーナリストの目で追い続けた子どもたちに、平和のありがたさと、生きるための活力を教わりました。2020/03/04
たまきら
21
ずっと、継続して出会った人と付き合っていく。これ、素晴らしいことだと思うんです。無邪気な顔の愛くるしい女の子が表紙ですが、彼女の10年が愛しくも悲しい。人の善意が色々と問題を産むのもつらい。それでも、やっぱり知ること、そして行動することの大切さをなんどでも確認したい。そして、なんと言われようとこういう思いをこどもたちにはさせたくない。2017/02/27
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
20
やるせない。リベリア内戦で運命を狂わせられてしまった3人の子どもたちに意図せず出会い、関わり続けたカメラマン。3名のうち1人はトンネルの出口の明かりに向かっているようだけど、他の2名とそれを分けているのが「自分の人生を受け入れるかどうか」と後書きで書かれているのはモヤった。カメラを向けて怒りをぶつけられても、撮ってくれたからこそ事実がわかる。撮ってくれてありがとう。知ることは義務。 2022/11/23
スー
15
筆者の高橋邦典さんがリベリア共和国の内戦の取材中に出会った3人の子供、無理やり少年兵にされた13才のモモと14才のファヤと6才で砲弾の破片で右ひじから下を失った少女ムスの10年間取材した記録です。モモとファヤは今の写真と少年兵だった時の写真、ムスは今の写真と腕がちぎれて病院に着いた時の写真がのっていてかなり衝撃的でした。少年兵達は酒やドラッグで恐怖心を消され戦場に出され、大事な時期を失った彼等は戦後の社会に溶け込めず計画をたてて継続する事ができず、不満ばかりが募っていく。支援の仕方を考えさせられました。2018/04/09