内容説明
初めての恋をして、わたしはひとつ、大人になる―まわりに合わせることが苦手で、いつもひとりでいる望月結愛。中三の春、ひょんなことからオンナたらしと噂される金髪の同級生・蒼井瞬の意外な一面に触れ、しだいに惹かれてゆくのだが…。炭酸水のように甘く苦く心をこがす切ないラブストーリー。本編のその後を描いた書き下ろし短編を加えて待望の文庫化!
著者等紹介
宮下恵茉[ミヤシタエマ]
大阪府生まれ。『ジジ きみと歩いた』(学研教育出版)で、第15回小川未明文学賞大賞、第37回児童文芸新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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らじこ
38
4年前。わたしが味わったものとほぼ同じものを結愛が味わい、同じように必死になって駆けずり回る姿に、この先のページを捲ろうか、読むのをやめようか、正直躊躇った。わたしの結末と結愛の結末は違うだろうし物語だからこそ救いがあるかもしれないと思って読み進めた結果、とても爽やかに温かく物語は閉じていったけれど。4年も過ぎたはずなのに、まだ少し痛かった。物語は爽やかなのに、あのとき味わった無力さと憎しみと嫌悪感を思い出したようでもあったから、読後やりきれない気分にもなった。でもたぶん、これは質のいい青春小説だと思う。2015/01/23
なないろ
33
昨日7月31日は、ブルームーンでしたね。見ると幸せになれるといわれているブルームーン。昨夜、外にでて一生懸命祈りました。その余韻に惹かれてか、つい手に取ってしまったこの1冊は、羨ましいほどの青春ストーリーでした。中学生ならではのパチパチした人間関係。ラムネに例えたその世界がピッタリでした。一緒に歩くその時間が大切…そんなほのかな恋を私も体験したかったです。2015/08/01
アズマ
31
小学生の時に読んで以来の再読です。甘くて爽やかで眩しくてキラキラしすぎて何故か読んでいて苦しくなりました。「私は蒼井くんが好き。だけどらつきあうとか、思いを伝えるとか、そんなこと思ってない。ただ一緒にいて、話をして、蒼井くんが笑ってくれれば、それでいい。」2019/07/17
*蜜柑*
23
表紙買い。中学三年生の望月結愛は、人付き合いの苦手な大人しい優等生。目立つグループにいて、金髪にビー玉のようなブルーグレーの瞳をもつ蒼井瞬。小さな偶然が重なりあい、二人の距離は縮まっていく…。淡い初恋のお話。若い。あおい。全体的にあっさりしていて読みやすいが、淡々と進みすぎて物足りなさもあり。二人に立ちはだかる大きな壁も突然の不幸も、さらりと流れていくものだから肩透かしをくらう。その後を描く書き下ろしの短編がなければ、薄味すぎて印象に残らないところだった。美味しいけれど少々薄味の微炭酸。物足りなさが残る。2013/08/10
coco夏ko10角
21
こういう小説、小学生の頃大好きでたくさん読んだなぁ~…。って当時を思い出して懐かしくなってしまった。可愛くて青春。2017/04/22