出版社内容情報
明野神社の狛犬には彫った石工の魂が宿っていた! 狛犬の「あ」には親方、「うん」には弟子の佐助の魂が。心躍るファンタジー。
内容説明
明野神社の狛犬には、彫った石工の魂が宿っていた。狛犬の「あ」には親方、「うん」には弟子の佐助の魂が。二頭は神社を見張りながら、しょっちゅう話をしていた―百五十年まえの石工の魂を宿した狛犬たちと現代の人々が織りなすファンタジー。
著者等紹介
伊藤遊[イトウユウ]
1959年、京都市に生まれる。立命館大学文学部史学科卒業。作品に、平安時代を舞台にしたファンタジー『鬼の橋』(産経児童出版文化賞推薦、IBBYオナーリスト)『えんの松原』(日本児童文学者協会新人賞、産経児童出版文化賞)、現代の子どもを描いた『ユウキ』(日本児童文学者協会賞/以上福音館書店)『つくも神』があり、絵本に『きつね、きつね、きつねがとおる』(日本絵本賞/以上ポプラ社)がある
岡本順[オカモトジュン]
1962年、愛知県に生まれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
54
自分の彫った狛犬に魂が宿ってしまった石工の佐助と、その親方。神社にやって来る人々を150年間見守っています。いなくなった愛犬を探す見習い大工の耕平や、わんぱく幼稚園児の翔太など他の登場人物も賑やかで楽しいです。親方と佐助、耕平と高橋さん、人が人を思いやる気持ちが温かく、ほんわかした気分になりました。1〜2年後には娘も読めるようになるかな…2018/09/16
杏子
33
150年前の石工の魂を宿した2匹の狛犬たち。彼らの姿が見えたり、声が聞こえるのは7歳になる前の幼児だけ。7歳の誕生日過ぎたら、それまで見聞きしていたことも忘れ、見えなくなってしまう。そんな中、狛犬たち(見事な細工の1匹「あ」を親方が、もう1匹の出来損ない「うん」をその弟子が彫ったそう)と、現代に生きる人々との間に騒動が起こる。弟子の佐助は思い切った行動に出てしまい…それで迷子の巻なのだが。とても面白く、ほのぼの系ファンタジーという感じで、続きがあるならぜひ読んでみたい!よろしくお願いします!2015/07/16
コーデ21
27
最近、都内の狛犬巡りが楽しみな狛犬ハンターの私(笑)狛犬関連の解説本を読破中!今作は「たまにはフィクションも♪」と思い選んだ作品ですが…面白かった~(´▽`*)分類的には児童書なんでしょうが、ホノボノとした読後感がクセになりそうです☆もしかしたらシリーズモノ?他の作品も読んでみたいです!2015/11/30
はなん
24
図書館)とことん狛犬が主人公の物語。(変な表現?)迷子犬を探す彼のきっかけがわかった段階から幼稚園児に移行かな?と思ったら全然違いました(笑)親方の最後の作品と弟子の最初の作品。それぞれに宿ったそれぞれの魂が、とてもいい師弟関係で微笑ましい。神社はモロモロにいろんなことが起こっているものだ、って思うけど、ここまで狛犬限定の不思議と幼稚園児も誕生日をすぎるときっぱりさっぱりと忘れてしまうことの現代っ子の感覚がちょっと驚きとともに目からウロコでもありました。シリーズあるのですか?ならば読んでみたい。2013/09/02
とんこ
19
鬼の橋、えんの松原に続いて3冊目。読んだ中では1番文章が優しく子供向け。短いのであっさり読めますが、優しく豊かなイメージの和風ファンタジーで、読後感も良く面白かった。狛犬に宿った佐助の声が聞こえるのは7歳以下の子供、というのは「7歳までは神のうち」だからだろうけど、100歳以上になったらまた聞こえるようになるってのがなんかいいなあ。確かにそれくらい生きたらできそうな気がして楽しみ。2023/06/10