出版社内容情報
行き場を失った犬や猫を救うために奔走する大学のサークル活動の若者たち。愛情と情熱、命と正面から向き合う姿が胸を打つノンフィク
内容説明
広大な自然にかこまれた青森県十和田で、行き場を失った犬や猫を救うために奔走する若者たちがいた。大学のサークル活動で、心も体も傷ついた動物を保護し、辛抱強く新しい飼い主を探すのだ。部員たちの愛情と情熱、命と正面から向き合う姿が胸を打つノンフィクション。
目次
黒毛三兄弟
ルンルンの奇跡
犬部員ハナコ
初めての卒業
オッチャンの愛犬
ウサギに呼ばれた男
犬部でいちばん気の長い話
運命のニャンたち
誰も知らなかった危機
あたった予感〔ほか〕
著者等紹介
片野ゆか[カタノユカ]
1966年、東京生まれ。ノンフィクションライター。人と犬の生活、アジアエリアの食文化、健康・美容などをテーマに取材・執筆を行っている。2005年、『愛犬王―平岩米吉伝』で第十二回小学館ノンフィクション大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そる
351
動物テーマの本は初。動物愛護って私には何か遠く、偽善っぽい印象だったが、これは人間の都合で飼えなくなったり迷子になったりする動物を保護し新しく飼い主を探す、自己犠牲の上に成り立つ、動物が好きじゃないと生半可な気持ちではできない過酷な活動の話で、偽善じゃない。動物がめっちゃ好きなんだ。いわゆる犬バカ。親バカと同じだ。今までの自分の考えが払拭され視野が広がった。「すべての動物を救おうとしたら、自分の生活が破綻してしまう。できることと、できないこと。どこかで線引きしなければ、愛護活動を続けていくことは難しい。」2021/09/04
シナモン
175
映画化本。捨てられた犬や猫を保護して、新しい飼い主を探す活動をする北里大学獣医学部のサークル「犬部」のエピソードを記したノンフィクション作品。犬との生活のためにアパートの自室を土足にしたり、自分の生活は後回しにしても保護した動物の命を守ろうと必死になったり。若さ故の危なっかしいところも赤裸々に綴られているが、メンバーは変わっても活動がずっと続いていることに頭が下がる。それと同時に馳星周さんの解説にも胸を打たれた。犬を飼うってこういうことだと教えられた気がした。こちらにも感謝したい。2020/10/20
ゆいまある
102
著者は名作「ワセダ三畳青春記」で、高野秀行さんが子犬のように懐いてしまったあの編集者。本作は映画にもなり話題になった。動物愛護活動をする獣医学部生たちのノンフィクション。青春物としても面白いが、犬好きならば泣かずには読めない。感じるのは、捨てられた犬に、傷ついた自己像をつい重ねてしまうこと。犬が幸せになる話は癒し効果が高いのである。可哀想な犬程飼い主希望者が現れたり、動物愛護団体が結構なお金を集めてしまったりするのもそういう心理だろう。初代代表の太田快作さんは有名になり羽海野チカ先生の猫の主治医となった。2022/06/05
ちょこまーぶる
98
喜怒哀楽?を表出しながら読み終えた一冊でした。誰もが思う事だと思うけど、動物の保護活動の重要性、大変さ、使命感など挙げたら限が無さそうなぐらいの感動を受け取れる内容で、しかも獣医学部で勉強・実験・国試と超多忙な学生生活をしている学生たちの自分の生活をある意味犠牲にしてまでも動物の命を繋げる活動に頭が下がる思いです。そのバイタリティや葛藤は若い彼らだからこそだと思うんですが、自分の学生の時に頑張っていた発達障害児たちとの治療教育活動を思い出して、ホロッとくる場面もありました。映画も見たいと思います。2021/08/01
七色一味
92
読破。え~。電車の中ではおすすめしません。多分、周りの方々が奇異の目で見るんじゃないかと思います。まぁそれは、いいトシしたオッサンがブックカバーもかけず(かけろよ!)この本を満員電車の中で広げ、しかも目をうるうるさせてるからでしょう。これがカワイイ女性であれば、おそらくは周囲の目も、もっと優しいんじゃないかと思いますが…(笑)オススメです。2015/10/06