内容説明
「ぼく」が逃げ込んだ美術高校で起きた幽霊騒動、桃香る女子寮で繰り広げられる少女たちの密やかな駆け引き、名門男子校にやってきた季節外れの入寮生、個性派ファミリーの夏休みの行方―。舞台は「紅桃寮」、四〇四号室が「開かずの間」、事件発生から解決までが「七日間」。三つの共通設定のもと、四人の実力派作家が競作する新感覚の青春ミステリー。
著者等紹介
加藤実秋[カトウミアキ]
1966年東京都生まれ。2003年「インディゴの夜」で第10回創元推理短編賞を受賞し、デビュー
谷原秋桜子[タニハラショウコ]
2001年本格ミステリー小説『激アルバイター・美波の事件簿 天使が開けた密室』(富士見ミステリー文庫、のちに『天使が開けた密室』と改題の上、創元推理文庫より復刊)を発表し、デビュー。その後作家活動を休止していたが、06年に再開
野村美月[ノムラミズキ]
2001年「赤城山卓球場に歌声は響く」で第3回えんため大賞小説部門最優秀賞を受賞、02年同作品でデビュー。「“文学少女”」シリーズが「このライトノベルがすごい!2009」第1位を獲得。アニメ化、漫画化され、ベストセラーに
緑川聖司[ミドリカワセイジ]
2003年「晴れた日は図書館へいこう」で、第1回日本児童文学者協会長編児童文学新人賞佳作を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
68
共通の設定はあるものの、それぞれに違った感触のミステリ4編。学園ものの「三月の転入生」をはじめ、謎解きの意外さに驚かされる。最初に期待した以上におもしろく価値のある短編ばかりで、それぞれ続編・姉妹篇が読みたくなるほどの出来だと思った。404号室の開かずの間という設定だけでこれほど楽しめるヴァリエーションが生まれることにも感心する。2014/01/17
ひめありす@灯れ松明の火
67
関東新年オフ会の帰り道から読み始めました。行きが『トーマの心臓』だったので、寮物語を二冊続ける形になりました。元々野村美月がアンソロに書いてるというので思わず手にした一冊。黒野村らしい女学生のどろどろの愛憎劇が楽しかった。谷原さんはブレイクスルー!!という感じのお話。いけいけエアブラシ。マスターしたらきっと楽しいぞ。緑川さんはちょっと被っちゃって残念でした。でも短編ミステリーとしては一番の出来だったのかも。加藤さんはまさかそんな引っ張り方をしてくるとはという斜めの付き方。でも正統で四話揃えても良かったかも2013/01/29
結衣花
66
正直、あんまり楽しめなかったです。最初の『聖母の掌底突き』が馴染めなかったことから、読む意欲が半減したのかも。比較的読みやすかったのは、『三月の新入生』と『マジカル・ファミリー・ツアー』。再読することは、無いな…。2015/04/13
七色一味
66
読破。これまた想像していたのと違った、アンソロジー。1.寮の名前は「紅桃寮」 2.四〇四号室が「開かずの間」 3.事件発生から解決までが「七日間」。この設定に基いて書かれた「4つの寮の物語」。この基本設定のうち、七日間という、時間、日にちに追われるというサスペンス要素を活かす作品がなかったのが残念。2013/09/26
tokotoko
55
きっと憧れの「寮」がタイトルになってるので、予約したのではないかと思うのですが、若さはじける表紙に・・・ちょっとビックリ!けれど、読み始めると、あっという間の4編でした。「紅桃寮」と「404号室」が共通アイテムの4話。落ち着いた文体ながら、謎が発生しては解けて行きます。登場人物はいつもいっぱいいっぱい・・・ホントにね、青春!!です。そして、事件の収束と共に、みんなちょっぴり大人になっていきます。久しぶりの学生生活は、忙しかったけれど・・・楽しかったです!2014/12/14
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