花言葉をさがして

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 433p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784591127001
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

ヴィクトリア・ジョーンズは火事の夢ばかり見る。夢の中ではいつも10歳の少女のままだ。生まれてすぐに母親に捨てられたヴィクトリアは無愛想で怒りっぽく、何人もの里親のもとを転々としてきた。心を閉ざした彼女が唯一信じたのは、9歳の時の里親エリザベスが教えてくれた「花言葉」。18歳の誕生日の朝、養護施設を卒業したもののお金も仕事もないヴィクトリアは、公園の茂みで眠るしかない。そんなある日、街の小さな花屋『ブルーム』を見つけて「花のことなら何かできるかもしれない」と直感し、ブーケを作って自分を売り込み、店で働き始める。お客が何を求めているかを察し、美しい花束を作って人々をしあわせにしてゆくヴィクトリア。その腕はたちまち評判になり、希望に満ちた生活を手にするかに思えたのだが…。傷ついた記憶と葛藤しながら愛を求めて生きる人間たちを描いたこの物語は、世界が注目する新人作家の驚くべきデビュー作である。

著者等紹介

ディフェンバー,ヴァネッサ[ディフェンバー,ヴァネッサ][Diffenbaugh,Vanessa]
サンフランシスコに生まれ、カリフォルニア州チコで育つ。スタンフォード大学にて創作と教育学を学んだ後、低所得者層の若者を対象に文学と創作を教える。里親制度のもとで育つ子どもたちの将来の自立を支援する「カメリア・ネットワーク」を発足。現在はマサチューセッツ州ケンブリッジに住んでいる

金原瑞人[カネハラミズヒト]
1954年、岡山県生まれ。英米文学翻訳家、法政大学社会学部教授。ヤングアダルトを中心に、幅広いジャンルの作品を精力的に翻訳

西田佳子[ニシダヨシコ]
愛知県名古屋市生まれ。英米文学翻訳家。東京外国語大学英米語学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

83
親に捨てられ、孤独に育ったヴィクトリアにとって、愛を知る手段は花言葉だったのでしょう。里親のエリザベスに教えてもらった花言葉が、彼女を人や世界とのつながりを取り戻すことになったのですね。18歳でホームレスになるも、花をきっかけに花屋で働くことになるヴィクトリア。彼女が作る美しいブーケが人を幸せにしていくのは彼女が花言葉を信じていたからに違いありません。言葉で伝えられない想いをさりげなく花言葉にのせた愛と再生の物語。過去と現実を同時に描くことで花言葉の奇跡を感じました。2015/05/15

seri

82
世界が色を変えた。この物語を知る前と同じように花は見れない。花の、不思議に心惹かれる魅力。その繊細な花びら、力強い葉や茎、そういった箇所に秘めたものが言葉という形を持ったとき、それは武器となる。傷を癒す薬となる。そして、愛を伝えることも。人間嫌いのアザミだった日々、愛を知らない白いバラ。どんなに傷付いて萎れても、また春が来れば花は咲く。白いバラでも苔は育つ。愛は、確かにそこにあるから。胸をぎゅっと掴まれるような丁寧な描写、花言葉をひとつひとつ噛み締めて読みました。私ならこの物語にグラジオラスを贈りたい。2014/04/30

優希

75
再読です。花言葉ならではの美しさに魅了されました。生まれてすぐに捨てられたヴィクトリアにとって、花言葉はとても大切なものだったように思います。心を映し出すと言ってもいい花言葉が人や世界とのつながりを結んでいったからでしょう。運命に翻弄されつつも、花とのつながりは失われず、彼女のブーケが人を幸せにするというのに感動すら覚えます。きっとヴィクトリアは花言葉を信じていたのでしょう。言葉で伝えられない想いを花言葉にのせた愛と再生の物語と言えますね。2018/11/27

はる

66
養護施設で育ったヴィクトリアは誰にも心を開かず、無愛想で短気。唯一信じられるのは「花言葉」だけ…。本当は愛に飢えているのに強情に孤独を貫くヴィクトリア。自分が信じられず、他人に迷惑をかけまいとする純粋さ。しかし、その行動は幼稚で危なっかしく、却って他人も自分もダメージを受けてしまいます。何度も失敗を繰り返し、ようやく自分自身を受けいられるようになった彼女にホッとしました。2016/10/03

Willie the Wildcat

64
1つ1つの出会いや、何気ない言動の積み重ねが心を開く。言葉にできないもどかしさを補う花言葉。そんな花言葉にも、解釈が分かれることがある。最後にそのスキマを埋めるのは、無論相手への想い。心底を受け止めた上で、互いに距離感をつめる過程が印象的。時に、スペースと時間を求めるヴィクトリアに共感。現実から逃げるという話とは違うんだよなぁ・・・、心の整頓かな。”ヒアシンス”?違う違う、そのまま受け止めるのが愛情であり、ヘイゼルがもれなく新たな光!巻末の「ヴィクトリア辞典」、フォトボックスで見てみたいなぁ。2016/01/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/4527763
  • ご注意事項

最近チェックした商品