ポプラ文庫ピュアフル
船に乗れ!〈3〉合奏協奏曲

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  • サイズ 文庫判/ページ数 296p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784591124017
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

三年生になろうとしているある日、伊藤は言った。「津島、大丈夫か?チェロが、おとなしくなってる」。津島の懊悩をかえりみることなく、学校は、音楽エリート育成に力を入れ始めた。津島は、自らの未来に対する不安を胸に、チェロを弾き続ける。そして、運命の日が訪れた―。生きることの“歓び”と“ままならなさ”を歌い上げた青春音楽小説の金字塔、堂々完結!津島と伊藤の二十七年後を描いたスピンオフ短編「再会」を特別収録。

著者等紹介

藤谷治[フジタニオサム]
1963年東京都生まれ。洗足学園高校音楽科、日本大学芸術学部映画学科卒業。2003年に『アンダンテ・モッツァレラ・チーズ』(小学館)でデビュー。08年、『いつか棺桶はやってくる』(小学館)が三島由紀夫賞候補になるなど、注目を集めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

416
「合奏協奏曲」の副題が示すように躍動する第3巻である。期せずして南との合奏まで果たすし、彼女のその後も伝えられる。『ブランデンブルク協奏曲』の第5番、そして『ジュピター』の練習風景と本番での演奏場面は躍動感に溢れている。演奏者の側からの視点が刺激的だ。さて、この第3巻は先の第2巻よりも一層にせつなさがつのる。サトルも、南も、そして伊藤慧も。金窪先生もまたそうだ。やはりせつなさの極みは慧だろう。全く報われることのない純な愛を注ぎ続けていたのだから。そう何年も何年もだ。エンディングは泣けるなあ。2019/06/05

射手座の天使あきちゃん

144
順風満帆・ハッピーエンドも楽しいけれど、大人になりたきゃ嵐の海へ錨を揚げて船に乗れ! 妬み・裏切り雨つぶて、傲慢・見聞・自己嫌悪 次々襲う大波にも、友が行く手の羅針盤 手を携えて帆を張って水面を響く協奏曲、って感じ!(笑) 音楽表現も含めて堪能しました。 藤谷さん、ありがとう♪2011/05/30

NAO

78
【月イチテーマ⠀学校・会社・組織】二流校に入った時点で才能がないことは分かっていたのではなかったか。自分の才能がに見合った音楽との向き合い方もあったのではないか。結局、主人公は、自分をあまりにもハイレベルな人間だと思いすぎていたのではないだろうか。多くの者が平凡ながらも自分なりの目標を持ち自分らしい努力を重ねて何とか生きている中、この主人公は、自分が平凡な人間だということをこれっぽっちも考えたことがなかったのだろうか。そんな気がする。2021/01/11

ひなっとぉ

57
93点…読み終わってしまうのが、残念で残念で仕方なかったです。青春時代の苦い思い出を40歳を過ぎた主人公が語っていくのが、やたらジワジワと心にしみました。そして南の送った手紙は涙なしには読めませんでした。女性の母性ってスゴイなぁと、そして自分も高校生だったら、きっと理解するのは無理だったでしょう。最後には音楽から全く離れてしまったサトルが伊藤と再会し、鮎川にオケに誘われ、再びチェロに向かう。船はまだ波に揺られていたんですね。この本に出会えたことに感謝です。2011/06/10

ちょこまーぶる

56
読後は満足感一杯になった一冊でした。今回はサトルがチェロをやめて音大に進まないという選択をしてしまったことに驚いてしまって、その後の彼の人生はどうなってしまうのかという気持ちでページを捲っていました。そして、3巻を通しての自主練やリハーサルの様子を読んでいると自分がその場に存在している気持ちとなってしまって木本の整理が大変でした。それから、この巻での南が飛び入りで参加した発表会での演奏シーンでは、最後までの演奏を願いながら読書でした。で、サトルがまたチェロを持ったことに安堵して、胸が熱くなっていました。2024/08/21

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