百年文庫

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  • サイズ B40判/ページ数 155p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784591121597
  • NDC分類 908.3
  • Cコード C0393

内容説明

「海は僕たち二人の場所だ。」―美しい娘ラウレラの心を開いたのは若き船乗りだった。色彩豊かな南イタリアを舞台に描かれた、清らかな恋の物語(ハイゼ『片意地娘』)。ドイツの山深い古城では、盛大な婚礼の準備が進められていた―。予期せぬ花婿の死から始まる、W・アーヴィングの異色作『幽霊花婿』。資産家の夫との人生を投げ打ち、若き曲馬師を選んだレオノール。恋の激情に身を任せた娘の逃避行(スタンダール『ほれぐすり』)。心の赴くまま、奔放に。十代の娘たちのかけがえのない季節を描いた三篇。

著者等紹介

ハイゼ[ハイゼ][Heyse,Paul]
1830‐1914。ドイツの作家。20代で遊学したイタリアから影響を受け、イタリアを舞台にした作品で高い評価を得た。短篇小説の巨匠と呼ばれ、ドイツ作家として初のノーベル文学賞を受賞

アーヴィング,W.[アーヴィング,W.][Irving,Washington]
1783‐1859。アメリカの作家。法律を学んだ後、ヨーロッパ滞在で見聞を広め、短篇集『スケッチ・ブック』で作家の地位を確立。スペイン駐在アメリカ公使も務めた

スタンダール[スタンダール][Stendhal]
1783‐1842。フランスの作家。本名マリ=アンリ・ベール。軍人や官吏としてヨーロッパ各地を転々としながら、多くの女性と恋愛を繰り広げ、小説や戯曲などの執筆活動をおこなう。とりわけ長篇小説でその本領を発揮した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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モモ

56
ハイゼ『片意地娘』父のDVを見て育ったので結婚したくないラウレラ。男に全く愛想のない態度から片意地娘と呼ばれる。カプリへ行く舟に乗り合わせた神父が心配するも…。南イタリアが舞台で目に浮かぶ風景が美しい。アーヴィング『幽霊花婿』ドイツの古城で大事に育てられた娘。父が決めた許嫁との婚礼の宴に現れたのは…。まさかの展開に心動かされる。スタンダール『ほれぐすり』若くして妻になったレオノールが初めて恋した相手は、とんでもないクズ男。恋は盲目とは、このことか。ハイゼの作品をもう少し読んでみたい。2020/08/03

臨床心理士 いるかくん

44
3人の作家による3篇から成るアンソロジー。意地っ張り娘の熱情。幽霊話をうまく織り交ぜた短いながらも巧妙なストーリテリング。まるで「惚れ薬」を飲まされたかのような女の語る物語とその意外な結末。3篇とも驚くべき完成度。2014/12/05

神太郎

35
娘たちのいろんな形の一途さがキラリと光るそんな作品でした。のっけのハイゼの作品からひきこまれました。ツンツン娘が最後に自分の気持ちを正直に出せるようになり「言えたじゃねえか……!」と呟いてしまった作品から、幽霊花婿のような不思議に見せかけた恋愛話はては恋に溺れすぎた女性の話と、一筋縄ではないが荒唐無稽ではない地に足がついたバラエティーに富んだ作品がならび、短編が得意な作家さん達だったのか物語の運びも鮮やかでした!選者さんに思わずグッドしたくなるナイスチョイス!2020/06/16

TSUBASA

23
どんな男に対しても片意地を張って愛想を見せないラウレラ。そんな彼女に想いを寄せる船乗りに彼女は心を開くのか、ハイゼ『片意地娘』。箱入り娘との婚礼の日に命を落とした花婿。相手も知らぬまま未亡人となった娘の元に現れた紳士の正体は、アーヴィング『幽霊花婿』。年老いた夫のいる若きスペイン娘が惚れたのは無頼の曲馬師。曲馬師にすげなくされるも想いは変わらず、スタンダール『ほれぐすり』収録。良かったのはハイゼ。何というツンデレ。惚れたのなんのを見せない人こそ、想いの壁が決壊した時には熱烈な情愛が溢れ出すものなんですな。2015/04/17

マッキー

21
ハイゼの「片意地娘」はこれぞツンデレ!という感じで非常にラウレラがかわいくて仕方がなかった。ツンデレのラブコメを文学にまで昇華させている。こういうのいいですね。2017/06/13

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