内容説明
村の落ちこばれ少年・斉藤平太は、父の威信で職に就いたものの、間抜けな失敗ばかり。皆の嘲笑に嫌気がさして心機一転上京するが…(宮沢賢治『革トランク』)。級友の作り話遊びに退屈した「私」は、「今迄隠して居ましたけれど」と自らの秘密を語りはじめた(与謝野晶子『嘘』)。「わたしたちは色が白いから、いちばん文明が進んでいるのですか?」―盲目の少年の問いに、大人たちは狼狽する(エロシェンコ『ある孤独な魂』)。曇りなき心で綴られた名篇が、鏡となって虚構を映し出す。
著者等紹介
宮沢賢治[ミヤザワケンジ]
1896‐1933。岩手県花巻市に生まれる。盛岡農林高校在学中から詩や散文を書き、教諭を経て農業を主とした生活に入る。最愛の妹の死を『永訣の朝』に、病に倒れて『雨ニモマケズ』を著した
与謝野晶子[ヨサノアキコ]
1878‐1942。大阪府堺市生まれ。与謝野鉄幹との出会いから「明星」に短歌を発表するようになり、初の歌集『みだれ髪』で一躍注目を集める。反戦詩『君死に給ふことなかれ』を発表するなど、社会問題に対して文壇から一石を投じた
エロシェンコ[エロシェンコ][Eroshenko,Vasilii]
1890‐1952。ロシアの詩人・童話作家。4歳で失明し、モスクワやロンドンの盲学校で学び、『提灯の話』でデビュー。1914年からは東京に在住し、『夜明け前の歌』『人類のために』などを執筆した。後に中国に渡り、魯迅や周作人と親交を持った。エスペラント(国際語)普及にも尽力した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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