内容説明
酒飲みの父親が四年ぶりに家に帰ってきた…。つましい庶民の暮らしを一幅の名画のように切り取って見せるフィリップの小さな話(『帰宅』ほか五篇)。甚七老人は縁側で煙草を吹かしながら、ふと墓参りを思い立つ。不思議な明るさに満ちた晩年の故郷の光景(坪田譲治『甚七南画風景』)。ペストが猛威を振るい村人たちが次々と世を去ったとき、森の中で生き抜いた子どもがいた―。祖父が教えてくれた忘れられない話(シュティフター『みかげ石』)。家や土地に刻まれた人の暮らしの物語。
著者等紹介
フィリップ[フィリップ][Philippe,Charles‐Louis]
1874‐1909。フランスの小説家。小さな町で木靴職人の子として生まれ、市役所勤めをしながら小説を執筆。『母と子』『小さな町で』など、庶民の暮らしの哀感を、感受性豊かな筆致で描いた作品を残している
坪田譲治[ツボタジョウジ]
1890‐1982。岡山県生まれ。小川未明、鈴木三重吉に師事。製織所の家業と並行して執筆を続け、46歳で発表した『風の中の子供』で、児童文学者としての地位を確立した
シュティフター[シュティフター][Stifter,Adalbert]
1805‐1868。オーストリアの作家。ウィーン大学に進学し、画家を志望するが、発表した短篇『コンドル』が好評で文筆活動に入る。人間を取り巻く自然の姿を、美しく描写した作品で知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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