内容説明
第一次世界大戦で右足を失ったベルバル大尉は、父の墓で、自分と美しい看護婦・コラリーにまつわる深い謎と不思議な運命を知る。やがて二人は、ルパンと敵国ドイツのスパイが「黄金三角」という言葉と、十億ドルもの金貨をめぐっての命がけの戦いに翻弄されていく…。
著者等紹介
ルブラン,モーリス[ルブラン,モーリス][Leblanc,Maurice]
1864年生まれ。フランスの小説家。雑誌社の依頼でアルセーヌ・ルパンを主人公とする短編「ルパン逮捕される」を発表して爆発的人気を博す。以後、『奇巌城』『8・1・3の謎』などの傑作を数多く残す。1941年没
南洋一郎[ミナミヨウイチロウ]
1893年生まれ。本名は池田宜政。野口英世等の伝記を池田宣政名義で、南洋一郎名義で『吼える密林』、『緑の無人島』などの冒険小説を執筆。戦後手がけた『怪盗ルパン全集』(ポプラ社刊)が圧倒的な人気を得た。1980年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夜間飛行
62
シリーズ中一二を争う面白さだった。あのトリックに始めて遭遇したのもこの作品であり、目の玉が飛び出るくらい驚いたのを覚えている。謎解きもさることながら、美しい看護婦コラリーと彼女を守る傷兵ベルバル大尉のロマンスからも目が離せない。二人はなぜか真っ二つに割れた紫水晶の片割れを身につけているのだ。そしてコラリーの身辺で起きる殺人事件に二人の親同士の秘密が絡んでくる。子供の頃は、こういう不思議な縁で結ばれた恋愛というものにひどく憧れた。横溝好きのルーツもこの辺にあるのかな。最後はルパンと犯人の知恵比べが見ものだ。2017/01/08
ホームズ
19
創元推理文庫でも読んだことがあるはずですが内容は完全に忘れていた(笑)展開が早く良い感じでした(笑)この感じの作品は江戸川乱歩の作品にもあったような気がして犯人の正体は分かりやすいですが単純に楽しめる良い作品だと思います(笑)2012/11/02
tokkun1002
8
ルパン9作目。1917年。吾輩とか言ったらいかんよ。児童書だからかヒロインがキラキラしてない。看護師コラリー。ベルバル大尉、銀行家エサレ。プレンナ。出版が古いからか日本語が読みづらいぞ。時代設定1915年。41歳。《フランス》2013/08/14
ねここ
7
兄の本棚にこのシリーズが三冊あり、今回初めて読んでみた。と言うのも、それぞれの解説が、米澤穂信、辻村深月、貴志祐介で、みんな揃って、小学生の頃に学級文庫か図書館でこのシリーズに出会い、ミステリ作家でこの小説に影響を受けてない者はいない、と断言していたからだ。ルパンと言えばルパン三世だった私は、少し恥ずかしい。古い文章なので、読みにくいかと思いきや、子ども達に向かって平易に、大げさに書かれているからか、あっと言う間に楽しく読めた。ルパンが出てくるのが遅くてヤキモキしたが、トリックも十分楽しめ、大満足。2023/02/05
羊男
1
★★1973/07/30