内容説明
夢のような幸せな日々には終わりが約束されていた―。13歳の少年ショウタは異国の地でモリーという名の不思議な女性と出会う。始めは奇妙な行動に戸惑うが、いつしか二人の間には絆が芽生えていった。美しい自然を舞台に繰り広げられる永遠の出会いの物語。
著者等紹介
野中ともそ[ノナカトモソ]
東京生まれ。1998年『パンの鳴る海、緋の舞う空』で第11回小説すばる新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめか*
27
期待していたけど、飛ばし読み。素敵な設定のはずなのに、どこか自分に馴染んでいかない。『西の魔女が死んだ』のような雰囲気で、ページの感触も文章も、日本作家というより外国作家が書いた物語のように感じた。叔父のアメリカの家に魔女のような人=叔父の元妻の母が住み着き、その図々しい彼女を追い払うために13歳の僕が叔父とアメリカに向かう。そこで魔女=モリーと過ごした一夏の物語。おばあさんなのに無邪気で子供心を持ったモリーと絆が芽生えていく。洋館でチェリーパイ作って食べるの楽しそう。恋愛関係にする必要はない気がする…2020/10/07
kana
16
いわゆるジャケ買い、でした。モリーとショウタの心温まる日々を描いた児童小説。著者は日本人ですが、アメリカの翻訳小説を読んでるみたいな感じでした。野中ともそさんはそれにしても、可愛らしい比喩を使いますね。極彩色のお家と甘酸っぱいチェリーの味わいを表現するのにはぴったり。ラストが予想出来てしまっても、十分に読み応えがあり、心がきゅっとしちゃう物語でした。2010/04/26
serin
13
西の魔女が死んだ、みたいな本を想像していましたが、ちょっとだけ違う感じ。カラフルでスイートだけど、ほろ苦いお話。最後は少し泣ける。モリーの口調は70過ぎのお婆さんには思えなかったけど、とてもチャーミング。ただ最後までショウタの気持ちは愛というより情だったんじゃないか…とは思いつつ。ああでも抱きしめたいってくだりは愛か…。あと挿絵が一箇所ありましたが、もっと欲しかった。本人か個人的に羽海野チカ先生のイラストで見たいなぁ。モリーのチェリーパイ食べたい。ほっこり、やさしい気持ちになれる一冊。女性向けかなー。2015/01/11
なつ
11
再読。やっぱりよかった。モリーがとても可愛くて素敵。男女の恋愛として成り立つのか否かは置いておくにしても、ふたりの間にあったのは途方もない、大きくて柔らかい愛なのだと思います。そして、私まで、気持ちよく、漂わせてもらいました。恋愛でもあり、生き方の教本のようでもあり、大好きな一冊てす。2013/08/18
じょみ
10
「だれかをよろこばせるうそを、天真爛漫につけるひと」なんてかわいいのだろう。やさしいのだろう。2011/11/20