内容説明
桃李大学付属、那賀市桃李学園。文武両道の有名私立大学に付属する中高一貫校である。その高等部の一角に、部員5人未満のため非公式な存在の文化部ばかりが集い、「マイナークラブハウス」と通称される古ぼけた洋館があった―。思春期を旅する「普通じゃない」少年少女たちの一筋縄ではいかない日常を描き、面白いのに不思議とジンとくる、最先端の学園小説。
著者等紹介
木地雅映子[キジカエコ]
1971年生まれ。日本大学芸術学部演劇学科卒業。93年「氷の海のガレオン」が第36回群像新人文学賞優秀作となり、作家デビュー。94年、同作のほかに2編を収録した単行本『氷の海のガレオン』を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coco夏ko10角
12
非公式な文化部ばかり集まった洋館・マイナークラブハウスにいる学生達のお話。シリーズの続きを読むこと前提でこれ一冊だと分からないことや明らかになってないことが多い。2014/03/01
Pure
8
前半を読んだ段階では、何だコレ?ただの人物紹介エピソードの短編の寄せ集めで、深みも何も無い!オジサンにはこのノリはムリかな?投げてしまおうか?イヤ、このまま終わるわけがない。と思いつつ読了。したら、なかなか良いじゃ~ぁないですの(笑)。キャラの突き抜け感は素晴らしいし、それぞれの背景がちらつき始め、今後の展開が楽しみになって来ました。丸々一冊、プロローグという本です(笑)。次を読まないと評価できない作品ですね。ただ、キャラがブッ飛んでますので、そういう設定は無理!という方にはお薦めしません。2014/11/15
うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
8
有名私立大学に付属する高等部に入学した紗鳥には、クラブに出たくても出られない理由があった。ある日フラフラ彷徨っているといつの間にか森の奥深くに迷い込んでしまい、そこで見つけたのは・・。シリーズ第1弾。軽快に最後まで読めます。個性派揃いのキャラクターで面白いです!特に畠山ぴりかが強烈!彼女にどんな過去が隠されているのか続編で明らかにされていくのでしょうか?楽しみです♪★★★★2011/03/23
吉野ヶ里
7
〈「でも、もう、死んでいく人なのに……」/「誰でも死ぬわ。それだけで全てが許されるほど、生きている間に為した行為は軽くない。この世界は、あの人たちのごみ捨て場じゃないのよ。」/がさりと音がして、女の子が、木の下に飛び降りる。/「あたしたちだって、ゴミじゃないわ。」〉木地雅映子の青春群像ヤング小説。ニセアカシアの林を抜けたところにある怪しげな洋館、マイナークラブハウス。少し癖のある少年少女のどたばた劇なんですが、作者特有の毒が一滴二滴垂らされています。一巻は一冊まるごとプロローグって感じ。続きが気になる。2020/08/19
らくだ
7
面白かった!変わり者ばかりの弱小文化部ばかり集まる、桃李学園の桃園会館で巻き起こる、青春喜劇。特待生としてバレー部に入ったのにいじめに遭って部活に行けない紗鳥、ハイテンションでおかしな帰国子女ぴりか、「女友達いないタイプ」の理知的な滝、不良だけど人間関係に聡い業平、おかしな話し方をする不気味な少年晴一郎、その他の愉快な文化部員たちが織りなすストーリーは、いじめや様々な理不尽で胸苦しくなりつつも楽しい。ぴりかの生い立ちがとても悲しかった。滝と晴一郎、頑張れ。2014/11/23