ポプラ文庫ピュアフル
氷の海のガレオン/オルタ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 217p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784591113837
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

斉木杉子、十一歳。自分の言葉を持つがゆえに学校に居場所のない少女は、「学校なんてなけりゃいい」と思った。そして、自宅の庭に生えるナツメの古木に呼びかける。時々、心にねじをまくように。ハロウ―(「氷の海のガレオン」)。ヤングアダルト小説ファンの間で「何度も読み返したくなる一作」として語り継がれてきた名作に、書き下ろしを加えて文庫化。

著者等紹介

木地雅映子[キジカエコ]
1971年生まれ。日本大学芸術学部演劇学科卒業。93年「氷の海のガレオン」が第36回群像新人文学賞優秀作となり、作家デビュー。94年、同作のほかに2編を収録した単行本『氷の海のガレオン』を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アマニョッキ

51
お借りした本。読書会で紹介していただいた際に、この作品を既に読んでいた読友さんが「教科書に載せてほしいぐらい!」と言っていたのがよく分かる作品でした。でも杉子もオルタも「学校へ行かない」選択をした小6と小1の女の子なので、教科書に載せるわけにはいかないんだろうなというジレンマ。特にオルタの方はうちの息子とも被る面がいくつかあって、何度も泣きそうになりました。コミュニティの狭さと集団の難しさから子供をどう救ってあげられるか、わたしも今一度考えてみたいと思います。紹介していただいて本当に良かった!2018/08/08

ましゃ

51
これはかなり突っ込んだ作品、子供に学校は必要なのだろうか。学校に行くとみんなと同じ普通である事を強いられる。違う子がいれば異端児として疎外されいじめの対象になってしまう…それは子供の感性・個性を殺している事にならないだろうか。自分が好きな事を学校で否定されてしまったら、その子は好きな事を好きと言えなくなってしまう…そんな場所が子供に必要だろうか。学校には「いっぱいの愛と、乏しい理解」があふている気がする。本書はヤングアダルト作品なんだけど、私は大人に…子を持つ親に是非読んでほしい。色々考えさせられますよ。2018/03/06

うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)

41
「氷の海のガレオン」「オルタ」の全2話。巻末に「オルタ追補、あるいは長めのあとがき」付。「氷」は「マイナークラブハウス」シリーズに登場したぴりかの小学生時代を見ているかのようなお話でした。諸刃の剣のようにこの年齢にしては早熟な彼女の感性が自身をも深く傷つけてしまう、そんな印象が残りました。「オルタ」は親が子供に対してどうしてあげるのが一番良いのか考えさせられました。私なら学校に行きなさい、と言ってしまうかも。どちらの話も読む人の年齢によって受け止め方が違うと思います。母親になった時再読してみたい。★★★★2012/04/09

りんご

29
集団生活をするのが辛いキッズの「学校行く意味ある?」に踏み込んだお話。心がシクシクした。もしかしたら長男はそういうタイプ。この本読むかな、読むといいんだけどな。繰り返し読みたい本。2021/02/24

有理数

23
途轍もなく苦しいお話ですが、大変に痛快なお話でもありました。共感したかどうかは物語の評価に関係ない、という姿勢ではいたいのですが、このお話で杉子たちが体験したような息苦しさは私も覚えがあり、とても感情を揺さぶられました。けれど、この小説の人たちのように上手にその息苦しさを表現することはできなかったし、彼らや彼女たちのように痛快に面白おかしくその苦しみに一矢を報いることはできなかったので、この小説は本当に「痛快」だと感じたのです。しかし今後も迂闊には読めないでしょう。そういう刺さり方のする小説でした。名作。2016/11/08

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