内容説明
―もう、だいじょうぶだよ、ゆり。この声…。プリンの声だ。ずっとわすれていたけど、プリンはこんな、小さな男の子のような声でしゃべるのだ。十才年下の妹が生まれた夜、ゆりは、ラッコのぬいぐるみのプリンと、ふたたび話ができるようになった…。
著者等紹介
川島えつこ[カワシマエツコ]
1970年、群馬県に生まれる。群馬大学教育学部国語国文学専攻卒業。その後、高等学校、養護学校に勤務。2002年、「十一月のへび」で第19回小さな童話大賞・大賞を受賞。2006年、『まんまるきつね』でデビュー。2009年、『花火とおはじき』(以上ポプラ社)で日本児童文学者協会新人賞を受賞。少女の繊細な心理をしなやかな筆致で描き続けている。群馬県在住
植田真[ウエダマコト]
1973年、静岡県に生まれる。創形美術学校グラフィックデザイン科卒業。1998年、ザ・チョイス年間大賞を受賞。透明感と詩情を感じさせる画風で、広告、装画、絵本と幅広く活躍している。『マーガレットとクリスマスのおくりもの』(あかね書房)で第14回日本絵本賞を受賞。東京都在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しーまま
16
独りっ子歴が長いと、下の子がうまれると焼きもちを焼くものなのかな。第2子の私にはよく分からないわぁ。プリンが可愛かった。最後はちょっと泣きそうになった。2016/04/01
ミルクみるく
15
ぬいぐるみがしゃべるなんて・・・私には感動します。私もそんなぬいぐるみがほしいです。おかあさんといっしょにいた時間がプリンとの時間になるなんてうれしくもあり悲しくもあるお話です!2010/10/30
遠い日
7
妹のももが生まれてから家族の生活が変わった。その1年を、ゆりの目線で描いた物語。家族になってゆく過程がみずみずしいことばで綴られる。ゆりの心の揺れ動きも、全部すくいとって、夢あり、リアルあり。植田真さんの澄んだ印象の挿絵がとても作品世界にマッチしています。2010/03/28
かりさ
6
ラッコのぬいぐるみを抱っこして星空を見上げる少女。可愛らしい装丁に惹かれます。10才の少女ゆりの成長と揺れる心の機微を繊細に描くファンタジー。生まれたばかりの妹への優しい目線を見せながら、赤ちゃん中心の生活への変化に寂しさも感じるゆり。妹への複雑な思い、存在したはずだったあの子のこと、お母さんとの大切な時間、四つ葉ちゃん、ほのかな恋心、そしてわたしのプリン…ゆりの成長とそれを温かく見守る家族の1年。しなやかで瑞々しい少女の語りと姿が健気でギュッとしたくなりました。あったかい読後です。2010/06/28
がる
4
プリンかわいいなー。 ゆりもいい子。 ぬいぐるみが大好きだった子供の頃を思い出すほんわかファンタジーでした。 2015/01/13