内容説明
野良猫ビビとの交流、別れの顛末をやわらかなイラストレーションで綴る絵本。
著者等紹介
たがわいちろう[タガワイチロウ]
1939年生まれ。山口県田布施町出身。広島大学卒業後、テレビ朝日へ入社。定年まで番組を作り続けた。1984年から始めたユニセフ親善大使・黒柳徹子の同行取材番組制作はいまでもフリーのプロデューサーとして続ける。一方、故郷では、休耕田を利用してブルーベリー農園の経営も行い、二地域居住を実践。最近、IT企業のニフティと共同でネット上にユニークな番組「世界それホント?会議」を登場させ話題を呼んでいる
中村みつを[ナカムラミツオ]
1953年、東京生まれ。イラストレーター、エッセイスト。世界の辺境の地を好み、自然や旅をテーマに、イラストとエッセイの作品を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぷれば
31
何度も何度も読み返し、その度に涙がジワッとこみあげてしまう。フリープロデューサーの著者が、故郷でであったサバトラの野良猫との物語。著者の猫を思うやさしさ、人との距離を縮めながらも、生まれ育った地にこだわる猫。後悔と希望と感謝、そして培った思い出と、かすかな期待…。中村みつを氏の絵もまた野良猫ビビの表情やしぐさがイキイキしてすばらしい。 2016/04/28
♪みどりpiyopiyo♪
29
ブルーベリーを植えはじめて2年がたったころ、大工さんは急になくなり、猫はひとりぼっちになりました。… ■じんわり しんみり 良いお話でした。著者の体験した 野良猫ビビとの交流、別れの顛末。物静かで温かくてさみしくて。■やわらかな絵も、ビビの意思ある眼差しや たがわさんを信頼してる安心感が伝わってきます。■この本、図書館では「イラストレーション」の棚にあったよ。もったいないなぁ。もっとみんなに読んでほしいです (๑`・ᴗ・´๑) (2009年)2018/07/19
馨
15
野良猫ビビが作者になつき、友情が生まれるけど、作者の仕事の都合で東京へ。一緒に連れて行こうとするが。。。。 猫は生まれ育った場所から離れることがとても強いストレスであると聞いたことがあります。ビビもどこに行くのかわからないまま狭いケージに入れられた時不安だったのでしょうね。ビビがどこかで幸せに人生を送ったことを願わずにはいられません。2015/09/20
marumo
14
すべて実話、脚色なしとのこと。どこにも、一欠片も悪意がないのに、唐突に別れが襲う。悔やんでも悔やみきれないよなぁ…。置いていくのは可哀想と東京に連れて行こうとしたばっかりにビビを失ってしまうたがわさん。猫と暮らすなら、その子が天寿を全うするまで自分は(おそらく)生きている、引っ越さないということを前提にしないとダメなんだなと思う。その後ビビがどうなったんだろうと想像するとせつない。2021/03/11
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
12
著者とサバトラ猫の出会いを描いた絵本。実際にあったおはなしです。大工さんに可愛がられていたサバトラ猫は、大工さんが亡くなり、著者になつくようになります。ブルーベリー(Blue Berry 著者がブルーベリー農園を目指していたので)の頭文字からビビ(BB)。べったりとしたかんけいではなかったですが、お互いにそばにいるのが当たり前になった頃、著者は数か月東京に戻ることになり、ビビを一緒に連れて行こうとしますが…。ビビの絵を見て「詫び状」という田川さんですが、中村さんの言うように「ラブレター」と感じました。2021/03/28