内容説明
町はずれの廃墟に、ろう仮面の紳士が入っていった。後をつけていた少年探偵団員二人の目の前で上着とシャツをぬいだその男は、なんと透明人間だった!目に見えない透明怪人が連日事件を引き起こし、東京中を震え上がらせる。怪人の出現に、明智探偵と少年探偵団は…。
著者等紹介
江戸川乱歩[エドガワランポ]
1894年生まれ。本名は平井太郎。1923年『二銭銅貨』でデビュー。探偵小説の第一人者として『屋根裏の散歩者』『陰獣』『蜘蛛男』などの代表作を次々と発表。1936年、初の少年向け読み物『怪人二十面相』が評判を呼び、明智小五郎と少年探偵団が活躍する「少年探偵」シリーズとして現在も読み継がれている。1965年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
68
少年探偵シリーズ第8弾。〔再読〕子供の時に透明怪人を読んで、何処にいるのか解らない怖さ、それよりも注射器で透明にされてしまう怖さを、強く感じていたのを思い出す。種明かしされれば、そんなものかと思って仕舞うが、当時のドキドキ感はかなりのものでした。何だろう、昭和は解らないものに怖さを感じて、大人が必要だと認識していたし、尊敬もしていたと思う。ミステリは道徳心を養う、唯一の小説だと言った作家さんがいました。怖いものは怖い、しかし勇気を持つ事の大切さ、しっかり対処する必要など、学びながら読んでいた事が懐かしい。2017/10/11
buluma
26
今回の犯人は透明、空空漠漠とする犯行の手がかりや、思い浮かべる犯人像もすべて透明なのが面白い。そこに“何も無い”ことが、どれほど不気味で恐ろしいことなのかを改めて感じた。犯人の策略で小林少年も中村係長も、敵味方関係なくすべてが怪しく感じる疑心暗鬼に、読者もまんまと陥る。前半はとにかく透明怪人にこれでもかとやられ憤しいが、明智登場以降、少しずつ犯人を追い詰める展開は読み応え十分。真犯人の○○が一言も発することなくあっけなく捕まってしまうのが可笑しい。最後まで透明な存在を押し通した犯人のその姿勢に同情した。2018/03/31
みっぴー
25
透明人間!これもちゃんとした仕掛けがあって、びっくり!確かに無茶があるけど、言われるまで気付かないんですよね(^-^;今回の勝負、これはもう替え玉をより多く用意した方の勝ちということでOKでは?ラストの明智探偵による犯人の精神鑑定、今の時代にも当てはまります。みんなを驚かせて注目されたいがために変な事件を起こす人は、昔からいたんですね。そして毎回ハイクオリティの巻末エッセイ、今回も感動しました。いっそのこと巻末エッセイだけの巻があってもいいんじゃないかな?2017/05/19
ぴかりん
18
Kindleにて。オープニングから雰囲気満点で物語にぐいぐい引き込まれました!透明人間の謎、不可能犯罪、少年探偵団に明智小五郎の活躍と、読者を飽きさせません。大人になって読んでもやはり楽しい読書となりました。2016/07/15
ホームズ
16
トリックもお話も単純だけどいいですね(笑)怪人二十面相が大真面目にあんなトリックをやってるところを想像すると笑ってしまいます(笑)二十面相は明智先生が登場するまでは怪人なんですが明智先生が登場するとダメダメになってしまいますね(笑)2009/04/15