内容説明
女王様になる条件は?コロニーの秩序はどう保たれる?小さな生命体の摩訶不思議に迫る、おもしろ自然科学エッセイ。
目次
1 そっと地面に近づいてみる―アリ案内初級編(けっして一人では生きていけない;交尾して昇天。はかないオスの一生;「働き者」は年配のアリ? ほか)
2 アリと研究者の春夏秋冬(奇想天外、アリ研究者の日々;アリたちとの多忙な一年が始まる春;動物の都合に自分を合わせる ほか)
3 もっと深くアリの巣へ―アリ案内上級編(ダーウィンを悩ましたアリ;オスには母親しかいない?;遺伝子を残すことに必死なアリたち ほか)
著者等紹介
大河原恭祐[オオカワラキョウスケ]
1967年埼玉県生まれ。北海道大学地球環境科学研究科博士課程卒業後、96年4月から金沢大学自然科学研究科生物学科生態学研究室に勤務。おもに「ウメマツアリの繁殖様式」や「アリによる種子散布」の研究を行う。研究者と愛好家で構成する研究会「日本蟻類研究会」に所属し、近年は鳥類の研究にも携わる。国内の森から海外のジャングルまで、フィールドワークの幅は広い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tario
21
小さなアリの世界を覗き込むとこんなにも完成された社会性があるなんて。働きアリがオスを間引くだとか、他の巣から幼虫を強奪してくる奴隷制があるとか、出戻りの新女王アリがいるとか、思わず他人に教えたくなる蘊蓄の数々。小さいけど濃密で面白いアリの世界の片鱗に触れられる一冊。2015/03/12
kubottar
8
幼少の頃、学研の科学についていたアリ飼育セットが好きだった私にとってノスタルジックな気分に浸る本になりました。蝉の死骸もあっという間に解体して巣に運び入れる、その仕事の早さが好きなんですが、アリの社会にもいろいろあることがわかる・・。2011/06/29
Tatsuya
4
アリの生態について、非常にわかりやすく紹介している本。凄く読みやすくて、楽しかった。ただ、ちょっとアリを擬人化しすぎていて、余計な誤解が生じそうな箇所も。わかりやすくするためには、仕方ないのかな。2009/05/22
noko
3
超身近な生き物アリ。アリは身近だけど、世界に1万種もいて、謎も多い。世界最大のアリの巣はどこにあるかというと、北海道石狩海岸にある。日本には275種のアリがいるが、ヨーロッパはアリの種類が少ない。だから研究にも偏りがあり、ムネボソアリやケアリ研究が主流。蟻研究にも流行りがあり、分断性投資比が数年前流行り、ボルバキアという寄生虫の研究が流行ったりした。蟻の不妊カーストはダーウィンの考える進化論にとって、悩みの種だった。W.Dハミルトン博士が4分の3理論、姉妹を育てる方が血縁度が濃く、利益があると発見した。2023/07/04
オリマー
3
前からアリは好きだったのですが、この本はかなり面白かったです。表紙のアリが立体的になってます。この本を読めばアリ好きも増えるのではないかと思います。2013/12/15