内容説明
海を臨む病院に入院して、ディスクジョッキーになったチビでヨワムシな少年。毎日届くリクエスト、病室に響く懐かしいメロディ、個性的な医師や入院患者たちとのゲストトーク…少年のお昼の放送は、病院全体を明るくあたたかな空気で満たしていった。そんな日々も束の間、やがて病状が悪化し、お昼の放送ができなくなってしまう。そして少年は11歳の誕生日に、ある決意をして、街に飛び出した。尽きせぬ想いが、ラジオから聴こえる―海辺の病院で紡がれる、小さなディスクジョッキーの初恋ものがたり。
著者等紹介
鬼塚忠[オニツカタダシ]
1965年鹿児島市生まれ。大学在学中から世界放浪の旅を始め、40ヵ国を巡り、世界各地で働く。帰国後、海外の本を日本に紹介する仕事を数年経験した後、独立。著書に『海峡を渡るバイオリン』(陳昌鉉、岡山徹と共著/河出書房新社、2004年11月、テレビ化(文化庁芸術祭優秀賞受賞))などがある。『Little DJ―小さな恋の物語』は初の小説作品(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
37
病院の大先生の自宅に集まったシーンを読んで、太郎君は本当に良い病院に入院出来たんだなぁと、感無量になりました。 一人っ子が難病になって余命数ヶ月となったら、親はたまりません。 それを支えてくれる大先生、若先生、母の妹の看護師かなえさん、そして同じ入院患者、太郎君の初恋相手?たまきさん。 白血病の入院時の様子は、故市川団十郎さんの本で読んでましたが、身体中がかゆくなるそうで、よく蕁麻疹に苦しめられる私には、その事だけでも辛さが感じられて苦しかったです。 好きな事をして、笑っていると寿命がのびるのですね。2015/04/12
エンリケ
35
病院の院内放送でDJをした白血病患者の少年。余命幾ばくも無い彼が、明るい口調で患者達を元気付ける。一つ一つのエピソードが胸に迫り、兎に角目頭が熱くなりっぱなし。シンプルでな題材。然程工夫もない文章。それが何故これ程心を揺り動かすのだろう。やはりそれは物語の持つ力。少年の健気さ、切ない恋、周囲の人々の温かさ。そして懐かしい楽曲。様々な人生の一時を共有した患者達が、等しく少年のDJに勇気を貰う。ある人は笑顔で退院し、ある人は心穏やかに最期を迎える。ここは人生の踊り場。久々に神木君の演技を観たくなった。2017/07/10
森の三時
23
タイトルの通り、「小さなDJの物語」であり、「小さな恋の物語」でした。小さな体を襲う病魔、小さな心にともる恋の灯り、後半はやっぱり切なくて泣いてしまいましたが、あたたかさも感じる物語です。神木隆之介くんと福田麻由子さん主演の映画があります。きっと少年少女にしか出せない澄んだ眼差しを観たら、もっと切なくて号泣してしまうだろうと思いました。2017/01/08
夏紀
18
泣いた。最初っから涙でてきた。映画を先に見てて結末わかってるから冒頭から涙止まらなくて。小学生の男の子太郎が白血病になりながらも病院でDJとしてお昼の放送をする話。太郎の思っていることや周りの人達との環境を思うと涙がとまらない。また映画みようかな。原作しか読んだことない人、原作もよんだことない、ぜひ映画も見てください。大先生のレコードが壁いっぱいに並んでるすがた、太郎の小さなDJ姿をみることができますよ。2016/06/18
ドラちゃん♪
18
「急性リンパ性白血病」幼い小学生の「太郎」に告げられた病名。やがて病院内のお昼の放送でDJとして、リクエスト曲を受け付けたりして、たちまち人気者に!病状も奇跡的に安定してくる。次々に仲良くなった仲間もやがて退院していく。「たまき」との恋にも注目!!! 「Little DJ~小さな恋の物語」 タイトル通りぴったりの切ない物語でした。。。2013/05/18