内容説明
書いた手紙がまだ届いていない、空白の、でも幸せな時間に、手紙が届くはずの相手が普通に暮らしている―京都と山梨、遠く離れて暮らすふたりの「往復書簡」ストーリー。
著者等紹介
柴崎友香[シバサキトモカ]
1973年、大阪府生まれ
田雜芳一[タゾウヨシカズ]
1979年、静岡県生まれ。大阪芸術大学芸術学部映像学科卒業。03年、絵本作品『フォトグラフィア』で第1回大阪芸術大学新人賞「小池賞」、大賞を受賞。『いつか、僕らの途中で』が初の単行本(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねむねむあくび♪
43
読友さんにお借りした素敵な本♪鉛筆画が素晴らしい。なんともいえないニュアンスが伝わってくる。二人の距離感がとても佳くて、自分の学生の頃を思い出す。鉛筆で、スケッチとかを描きたくなった。2013/03/15
ほほほ
38
田雜芳一さんという方のイラストに、柴崎友香さんが文章をつけた本。京都の大学院生と、山梨の新米高校教師の遠距離恋愛を、一年間の手紙のやりとりを通して描いたものでした。淡いモノトーンのイラストに、柴崎さんのゆったりとしながら鋭い感性がベストマッチでした。こんな風に、季節と時間を確実に感じながら一年を過ごせたら、そしてそれを「誰か」ではない「一人」と伝え合えたら、本当に素敵。少しだけ、「北の国から」を観てるような気分になりました。癒されました。2014/10/01
Natsuko
32
こぢんまりした近所の図書館で。最近勉強本にややうんざり、今日はとにかく視野を広げるとか知識とか教養とかは関係なく、ぱっと見て好きだと思う本を読もうと手に取った。山梨の男性と京都の女性の往復書簡に、鉛筆画のような挿絵。たまにそれぞれの独り語り。あらすじがあるわけでもなく、ドラマティックでもなく淡々と、文明の利器ですぐ思いを伝えられる時代に手紙で、まどろっこしくも感じる会話がじんわり素敵。 好きな絵だなぁと思って調べたら、田雑芳一さんはわたしの好きな小説「平場の月」の装丁画を描いた方と知り、さらにじんわり。2022/05/15
あつひめ
28
一般の小説とは違う手紙と物語に添ったイラストで文字だけでなく視覚からも読者の心に入り込む物語の進み方。細かな説明なんかいらない。往復書簡の内容で大まかな二人を取り巻く環境や二人の気持ちを読者が想像して物語を膨らませていくことができる小説は作者と読者が作り出す小説。それも読者の数だけ物語が出来上がる・・・といっても過言じゃないかも。物語の厚みを増すように描かれているイラストは見るだけでこちらに伝えようとしてきている・・・生きている感じがする。短いストーリーだけど抱えきれないほどの思いがこもっている作品。2011/03/14
野のこ
20
ささっとした描写なのに丁寧で臨場感がある鉛筆画。その流れるようなイラストに短編映画を観ているよう。絵のなかに日常のつぶやきがあり、ほんわかしてていいなぁ。手紙のやりとりで2人の仲の良さを感じました。「手紙届いた?」って電話で確認するところが微笑ましく、遠距離恋愛にキュンとなる。日々の何気ないできごとを書き留めるって実はとても大切なのかもと思いました。三千院虹の襖絵、チェック。行ってみたいです。2016/12/13
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