私にとってオウムとは何だったのか

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  • サイズ B6判/ページ数 339p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784591086001
  • NDC分類 169.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

いまだ謎が残る「オウム真理教」について、元教団幹部が慙愧の念をもって語る証言を、宗教学者が検証する画期的な一冊。

内容説明

本書では、教団幹部として様々な事件に関わった早川紀代秀被告が、幼い頃の生い立ちから自らを振り返り、麻原彰晃とオウム真理教との関係を、慙愧の念を持ってとらえ返している。また宗教学者・川村邦光は、日本宗教史から宗教弾圧と宗教的テロリズムを概観し、オウム真理教およびその事件を、早川被告に焦点を絞って論じている。

目次

消えない足跡―オウムと私の軌跡
宗教的テロリズムと早川紀代秀

著者等紹介

早川紀代秀[ハヤカワキヨヒデ]
1949年兵庫県生まれ。神戸大学農学部卒。大阪府立大学大学院緑地計画工学コース修士課程修了後、大手建設会社勤務を経て、86年に「オウム神仙の会」(後にオウム真理教に改称)に入会。95年に逮捕。第1、2審で死刑判決を受け、現在上告中

川村邦光[カワムラクニミツ]
1950年福島県生まれ。大阪大学大学院文学研究科教授。東北大学文学部卒。専門は宗教学、近代文化史
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感想・レビュー

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テツ

32
確定死刑囚である早川紀代秀によるオウムと麻原への信仰についての回顧録。真面目で素直という美徳とされる部分は容易に他者に影響を受け侵食されていくという弱点と表裏一体なんだなあという感想。誰かに自分の全てを委ねたらどんなに楽だろうってみんな思うんだろうけれどそれはとても危険なこと。そうした罠には知性や人間性に関係なく陥ってしまう。自分で頭が痺れるまで考えること。疑い逆らう姿勢を常に維持すること。自分自身を誰かに捧げてはならない。2017/10/03

澤水月

26
麻原より年上、不動産等渉外役。事件当時、「ロシアとパイプ、金髪美女と武器でウハウハ」と下世話に報じられ、私の周囲では「学生運動(民青?)上がりの強面、他信者とも教祖とも全く違うクセ者」とされ一番興味があった男の手記(学生運動は触れられず。セクトなど不明。民青説はどこから…)。イメージはかなり風評らしく「社会人生活・起業など経験」につけこまれた関西のおっさん?! 教祖の洗脳技術、狂気と妄想をこの中年がどこまで意識的に利用したか知りたかったが…若者より「疑念」折々湧いた様子は伺える(早川部のみ読了、コメへ続2018/08/04

黒猫

25
オウム真理教の幹部、早川紀代秀による獄中からの手記。地下鉄サリン事件、松本サリン事件、教団内の信者殺害事件、各地で起こった住民とのトラブル、ロシアからの武器輸入等の数々の事件に加担した早川。オウムの幹部で自己と向き合い、証言した者はごく少数である。麻原は語らず、村井は殺された。マスコミ報道でなく幹部の証言で初めてオウムを知ることができる。救済のため、慈悲殺人の名の下に殺人が正当化され、殺人を躊躇う良心は修行が足りないとされた。麻原に帰依した事実は同じだが、林郁夫は無期懲役で早川は死刑。違いは何だったのか?2018/08/13

ゆきえ

11
おもしろかった。これからもオウム関係の本を読んでみたい。麻原彰晃(松本智津夫)は、本当に何をしたかたったのか。謎だ。しりたくてたまらない。でもわからないなのだろななあ。2018/10/13

gtn

7
著者のグル麻原観は、ヨーガの先生、ヨーガのグル、仏教のグル、ブッダと同格、絶対的帰依の対象と変遷した。それも衆院選大敗後あたりからグルに疑念が生じてきたようだが、逮捕に至るまで、ついにグルから離れることができなかった。その理由として「自ら認めた権威を否定することは、自らを否定することになったから」と述べる。その心境は特殊なものではない。戦時中の国民心理と何が異なるだろうか。2018/05/01

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