出版社内容情報
歌舞伎の名作「仮名手本忠臣蔵」を艶やかな絵で絵本にまとめた1冊です。「忠臣蔵」の舞台を画面いっぱいに再現します。
著者等紹介
橋本治[ハシモトオサム]
1948年、東京都生まれ。東京大学文学部国文科卒業。77年、『桃尻娘』で講談社小説現代新人賞佳作。小説、評論、古典の現代語訳、エッセイなど多彩に執筆活動中
岡田嘉夫[オカダヨシオ]
兵庫県生まれ。あでやかな色づかいと繊細な線で、一般文芸書の挿し絵、装画など幅広く活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
264
橋本治の再構成による『仮名手本忠臣蔵』。なにしろ全部で11段もあって、いささか複雑なこの大曲(通常の時代物は5段構成が一般的)、勘所を押さえながら上手に語ってみせる。ダイジェストなのだが、見せ場は概ね外すことがない。岡田嘉夫の歌舞伎風の絵もなかなかにきまっている。ちなみに絵も文も歌舞伎を想定しているが、本来は浄瑠璃の演目。原作に名を連ねる竹田出雲は竹本座を率いていた。したがって、初演は大坂の竹本座。その後に歌舞伎に移し替えられ(義太夫歌舞伎※という)盛期には江戸三座※※の全てがこの作品を競作したという⇒ 2025/01/16
☆よいこ
81
歌舞伎絵巻①鎌倉幕府が滅んで、足利尊氏が室町幕府をつくった時代。足利尊氏に重鎮された高師直(こうのもろなお)は自分が一番偉いと思いあがる。師直は、桃井若狭乃助(ももいわかさのすけ)と塩冶判官(えんやはんがん)が正しいことを言うので気に入らず、パワハラをする。塩冶判官の奥さんにもセクハラを繰り返す。若狭乃助は思い余って、師直を殺そうとするが家臣の機転で思いなおす。しかし八つ当たりされた塩冶判官が師直に切りかかり、ケガをさせてしまう。塩冶判官は切腹。家臣たちは仇討ちを誓う▽赤穂浪士しか知らなかったので新鮮。2021/03/10
万葉語り
44
本当に立派な人たちは普段は目立ちません。でもいざというときにちゃんと輝いて美しく見えるのが本当に立派な人なのです。という前書きが印象的。絵がとてもきれいで、アゲハチョウが舞い踊る中、赤穂ではなく鎌倉の47士の仇討ちが進んでいく。歌舞伎を見る前にこれ読んでから行けばイヤフォンガイドの解説が理解できそうだと思った。【日本の古典を読む「歌舞伎】参加中2018-252018/02/03
syota
39
室町時代の話にはなっていても、内容は赤穂浪士の討ち入りそのもの。吉良上野介に相当するのは高師直だが、どうやらこの人、吉良など足元にも及ばないワルの超大物のようだ。とはいえ、この仮名手本忠臣蔵がなければこれほど悪名を後世に残すこともなかったろうに、ヘンなところで貧乏くじを引いてしまった格好。今回読んだ「歌舞伎絵巻」3作の中では最も地に足が着いていて、幻想的な要素は希薄なだけに、内容自体の評価は別として、岡田嘉夫さんの絵との相乗効果という点ではあまり成功していないように感じた(「第2回江戸時代を知る」に参加)2018/02/13
テクパパザンビア
38
面白かった。吉田修一の国宝に影響を受けて読みました。歌舞伎は知らないけど落語で知ってる判官や由良之助、勘平お軽とか出て来て良かった、もう一度綺麗な絵を楽しみます。2019/10/20