出版社内容情報
エルフの血をひくエルフギフトは、王位を巡る争いから育ての親を殺され復讐を誓う。カーネギー賞作家による神話的ファンタジー。
内容説明
はるか昔、南イングランドのサクソン人の王国。エルフギフトは、王と森のエルフの間に生まれ、癒しの力をもつ美しい若者。王が死のまぎわにエルフギフトを後継ぎに指名したために、怒った異母兄らに命をねらわれることになる。ともに暮らす人々を虐殺された彼を、美しい女戦士が母の国、異界へといざなった。異界で戦士として鍛えられたエルフギフトの前に剣をかざして立ちはだかったのは、瓜ふたつの容貌を持つ異母弟ウルフウィアードだった。人の世の未来を描きだすという“運命のつづれ織”は、彼らにどのような道を用意したのか…。ゲルマン神話の世界観の下に、愛と憎しみ、現世と異界、神々と人との相克が織りなす、血と鉄と土の香りがするファンタジー。
著者等紹介
プライス，スーザン［プライス，スーザン］［Ｐｒｉｃｅ，Ｓｕｓａｎ］
イギリスのブラック・カントリー工業地帯に生まれる。１４歳のとき短編小説のコンクールで入賞して以来物語を書き続け、１９８７年『ゴースト・ドラム北の魔法の物語』でカーネギー賞、１９９９年にＴｈｅ Ｓｔｅｒｋａｒｍ Ｈａｎｄｓｈａｋｅでガーディアン子どもの本賞を受賞
金原瑞人［カネハラミズヒト］
１９５４年、岡山市生まれ。法政大学英文学専攻博士課程修了。法政大学社会学部教授。英米児童文学の紹介活動に従事する
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
17
はるか昔、南イングランドのサクソン人の王国。エルフギフトは、王と森のエルフの間に生まれ、癒しの力をもつ美しい若者。王が死のまぎわにエルフギフトを後継ぎに指名したために、怒った異母兄らに命をねらわれることになる。ともに暮らす人々を虐殺された彼を、美しい女戦士が母の国、異界へといざなった。異界で戦士として鍛えられたエルフギフトの前に剣をかざして立ちはだかったのは、瓜ふたつの容貌を持つ異母弟ウルフウィアード。凄まじい終わり方をしている。2006/08/02
綾乃
6
児童書コーナーで目に入って借りてみたのです。いやいや、ダメでしょ、これまったく「児童」向きではないんだけど！ 「寝床に迎・・・」とか、流血とか。小学校低～中学年と同じ棚にあってはダメなんじゃ、と思いながらオトナな私は楽しく拝読。ケルト風+北欧神話 vs キリスト教の背景のファンタジー。 さて、下巻にいきますか。2018/10/01
速水 舞
4
王が世継ぎに選んだのはエルフの娘との間にできたエルフギフト。彼は、癒しの力を持ち農園で暮らしていたが、王の一言がきっかけで運命に飲み込まれていく。北欧神話が混ざっているので、戦い万歳！な男の物語。2014/07/13
mtk
3
上巻のみを読んだ時点で。 自分的には『宗教やら神話やらを織り交ぜた、血みどろかつ壮大なお家騒動』という印象。 しかし、ファンタジーな世界観以上に、この物語は登場人物が織り成す、様々な人間模様と心情がメインかなと思う。 何せ主人公のエルフギフトからして、『主人公らしくない主人公』という感じがします。 エルフギフトが淡々としていて何処か傲慢なのは、人間とエルフの間に生まれたハーフエルフであるが故なのか…と考えると納得はいくのですが…。 自分好みではないですが、一応展開が気になってもいるので下巻も読んでみます。2016/02/12
kodomiru
3
スーザン・プライスほど意表をつく流れを持つ作家もいないと思うことがある。いろいろなことで遠慮がないのだ。最終的にはいい意味での読者への裏切り行為が続出なのだが、読み進めていくうちに納得をするから不思議で仕方ない。これを読むと北欧神話を読み返したくなる。ゲルマン人の信仰というものにとても興味をひく。あらすじがにおうような紹介はやめよう。でも、言葉では説明のしようがない、神というものを根底に揺るぎない生活をしている人たちの精神を描いたこの本をよむことで、何かしら心に訴えてくるものがあるだろうとだけ書く。2014/08/29
