ヴィリーへの手紙

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  • サイズ B6判/ページ数 229p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784591072608
  • NDC分類 943
  • Cコード C0097

出版社内容情報

16歳のポーランド人少年とドイツ・オーストリア軍の兵士の恋。ナチ時代にマイノリティーが背負わされた哀しみをリアルに描く。

内容説明

16歳のポーランド人シュテファンは、ある日、一瞬にして恋に落ちる。時は大戦のさなか。相手はドイツ・オーストリア軍の若い兵士だった。ふたりはその関係を数カ月間隠しとおすが、やがてシュテファンの書いた一枚の手紙が悲劇をもたらす…。時代に翻弄された恋の行方と、ナチ時代にマイノリティーが背負わされた深い哀しみをリアルな筆致で描く、傑作翻訳小説。

著者等紹介

ファン・ダイク,ルッツ[ファンダイク,ルッツ][Van Dijk,Lutz]
1955年、ベルリンに生まれる。ハンブルクで身障者のための特殊学校で長年教職に就く。その後、再度大学で学び、博士号を得てからはアムステルダムのアンネ・フランク・ハウスで働く。彼の児童書や実用書はいくつもの賞を受け、すでに数カ国語に翻訳されている。1992年以降、フリーのライターとしてアムステルダムに住む。『ヴィリーへの手紙』で1992年、ハンス・グリュック賞(Hans‐im‐Glueck‐Preis)を授与された

山崎恒裕[ヤマザキツネヒロ]
1956年、東京に生まれる。一橋大学大学院社会学研究科修了。1985年から10年間、フランクフルトで教職のかたわら独文学を学ぶ。帰国後、1998年『ぼくの積み木』で志木市いろは文学賞大賞、2000年『いくつもの十年』で東北北海道文学賞奨励賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

椿子

2
ナチスの時代に、同性愛者として迫害されたシュテファンの物語。物語としては、ええそこで!ってところで終わってるのが残念。ノンフィクション文学としては良いのだろうけれど。人間が人間でなくなってしまう時代に生まれるのって本当にしんどいことだと思った。が、今の社会が同性愛者については寛容か、というとそうではないのが悲しい。2010/08/08

ぽけっとももんが

1
マイノリティーであるが故の受難。これは第二次大戦中のポーランドが舞台だから、シュテファンはポーランド人で同性愛者という二重の迫害をうける。ヴィリーに手紙を書くならもっと気持ちを隠して「友達」としての立場を貫かないとダメだろう、と思うのは多分傍観者だからなのだろう。自分とは違う人を、違うけどそれもその人の生き方である、と認められる世の中でありたい。しかしこのテーマでYAとはね。2014/11/08

れじーな

1
第二次世界大戦中、オーストリア貴族のドイツ軍人と恋に落ちたポーランドの少年の、実話です。最初は、禁止されている同性愛、なのにちょっと声を掛けたら運命の出会い、ってどうして? と思ったりもしたのですが、手紙を送るだけで収容所に入れられる展開にはかなり驚きました。しかも最後まで恋人の処遇は知れないまま戦争が終わりますし。訳が分からないまま戦争に巻き込まれた普通の人なのに、ただ同性愛者だったからという理由だけで人よりも重い世界に突き落とされるというのは、とてもやるせないし、凄く悔しいものだと思います。2012/04/01

k_

1
物語として非の打ちどころがないほどの物語。無駄のない展開、設定、人間関係。 第二次世界大戦、ナチス占領下のポーランドの古都トルンで出会う、オーストリア貴族の作家志望のドイツ兵と、歌手を目指すポーランド少年の、許されぬ恋。前線に送られた恋人を想って出した手紙は、同性愛を禁じたナチの手に渡り、少年は強制収容所へ送られてしまう。今、戦争は終わったが、少年はオーストリアへ行ったことはなく、かつての恋人がどうなったかも知らない。2011/10/06

hose1239

0
ナチスの時代に生きた同性愛者の物語。淡々とした筆致だが、胸に迫るものがある。2012/03/03

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