出版社内容情報
夏休み、子どもたちは竹を採り、花火の買い出しにいき、提灯に絵をかき - - - 尾張水郷地帯に伝わる子どもたちだけの祭りを描く。
内容説明
“なつやすみこどもザイレン”というのは、尾張水郷地帯でおこなわれていた、子どもだけで花火を買いにいき、自分たちで絵をかいたちょうちんを、川縁に山形にかざり、次々に花火をあげるという地域共同体の子どもたちの、成長儀式、通過儀礼の祭りのことである。本書は、1989年に童心社から出版されていたものの復刊である。
著者等紹介
伊藤秀男[イトウヒデオ]
1950年、愛知県生まれ。1976年初個展以来、名古屋・東京はじめ各地で個展を開く。ガラス絵や凧絵も描く。数年間、子どもたちに絵を教えていたこともある。絵本『海の夏』(ほるぷ出版)で、第41回小学館絵本賞受賞。世界絵本原画展、90年代日本の絵本原画展、現代日本絵本原画中国展などに出品
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遠い日
10
子どもたちが子どもたちだけで準備し、運営する子どもの夏祭り、子どもザイレン。上に立つオヤブン役の子は責任と自信を持って臨む。祭りのやり方は年々引継がれ、手作りの提灯や花火の買い出し。子どもなら、自分たちだけでやることの充実感にわくわくしっぱなしでしょう。2016/03/29
ochatomo
9
画家の伊藤秀男さん初のオリジナル絵本 ザイレンとは祭礼からきた言葉で、作者が生まれ育った尾張水郷地帯の夏休み伝統行事 チャンバラごっこをするような子どもたちが大人に頼らずに寄付金を集めたり花火を買いに出かけたり夜祭りを作る 赤木かん子さん編・名作絵本復刊シリーズ4 元本1989年 2002刊2019/12/20
おはなし会 芽ぶっく
7
子どもの通過儀礼というのでしょうか、小1から中学生くらいまでの男の子だけの集団は寄付を集めたり小屋を作ったりして夏祭りを実施します。仲間に入れない女の子や小さい子にはちゃんとお菓子をふるまったり、最後は盛大に作った小屋を燃やすという著者の思い出の伝統行事。2023/05/14
くろばーちゃん
2
古き良き時代の話。大きい子から小さい子へ、祭がしっかり受け継がれていた時代があったんだな。どの辺で途切れてしまったのだろう。こうした絵本に触れると途切れてしまったことが残念に思えてくる。しかし、大きい子が親分で小さい子は従うという昔の子ども社会は個人の自由は制限されるわけで、すたれて然るべきものだ。良い面もたくさんあったのだとは思うが。2022/11/22
timeturner
0
思い出の中のあの頃はいつも美しい、ってところでしょうか。2014/03/23