ポプラ・ウイング・ブックス 崖の国物語〈１〉深森をこえて

スチュワート，ポール【著】〈Ｓｔｅｗａｒｔ，Ｐａｕｌ〉/リデル，クリス【画】〈Ｒｉｄｄｅｌｌ，Ｃｈｒｉｓ〉/唐沢 則幸【訳】

ポプラ社（2001/07発売）

• サイズ B6判／ページ数 390p／高さ 20cm
• 商品コード 9784591068960
• NDC分類 K933
• Cコード C8097

出版社内容情報

深森で道を外れた少年トウィッグは、様々な妖怪との交流と闘いを経て、終に運命を知る。奇怪なる異界で展開する傑作ファンタジー。

内容説明

「飛空船には、背の高い若者の活躍する場所は常に用意されているぞ」おそろしいはずの空賊の、その言葉が忘れられない。ウッドトロル族の村は自分の故郷ではないと知り、旅立った少年トウィッグだが、神秘的な森に魅せられて思わず道をはずれたとたん、死ととなりあわせの旅がはじまった。トビムシ退治、ホフリ族との一夜、食肉植物チスイガシとの死闘、オオハグレグマとの友情と別離、ヤシャトログに飼われる日々―。次々遭遇する妖しい怪物の脅威をくぐりぬけ、深森にすむ友だちができても、そこは、自分の居場所ではない。進むしかない―。虚空にはりだす船首像のように切りたった崖の国で繰り広げられる、壮大な冒険ファンタジー大作第一部。

著者等紹介

スチュワート，ポール［スチュワート，ポール］［Ｓｔｅｗａｒｔ，Ｐａｕｌ］
１９５５年ロンドン生まれ。ランカスター大学と東アングリア大学で創作を学ぶ。スリランカでの英語教師を経て、’８８年より作品を発表しはじめる。ファンタジー、ホラーから絵本、サッカー少年の物語まで、さまざまなジャンルで人気を博している

リデル，クリス［リデル，クリス］［Ｒｉｄｄｅｌｌ，Ｃｈｒｉｓ］
南アフリカ生まれ。専門学校でイラストレーションを学んだのち、経済紙のマンガをはじめ、幅広い分野で活躍している。子どもの本の仕事では、“Ｓｏｍｅｔｈｉｎｇ　Ｅｌｓｅ”（Ｋａｔｈａｒｉｎｅ　Ｃａｖｅ作）で１９９７年ケイト・グリーナウェイ賞、スマーティ賞の最終候補に選ばれ、ユネスコ賞を受賞

唐沢則幸［カラサワノリユキ］
１９５８年長野生まれ、青山学院大学卒
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ヴェルナーの日記]

『はるかはるか遠い世界――　』の冒頭で始まる本シリーズは、まさに異郷であり、幻想がうずまく異世界である。登場するキャラクターは、とても独創的でユニークな生き物で満ちている。あまり独創的だと、読者の想像力がついていけなくなってしまうが、本作では挿絵画家クリス・リデルの才筆によって、十分に『崖の国物語』ワールドを描き尽くしている。本シリーズは、主人公トウィッグの自分探しの話であり、本巻では、故郷の旅立ちから、空賊船に乗り込むまでを描いている。著者スチュワートの不思議な異郷ワールドが広がっていて次巻が楽しみ。

2015/03/19

[辛口カレーうどん]

危険な動植物の生息する、深森の村で暮らすウッドトロル族で育った主人公の少年は、外見がみんなと違う為、疎外されていた。彼が村から追い出されて、森でたった一人になり冒険は始まる。出会った人は皆親切に助けてくれるが、すぐ突き放されてまた独りぼっちになる。森のおかしな民族、人食い樹木、空に浮く石、空賊。わくわくせずにはいられない。主人公もごく普通の子で、どちらかといえば頼りないのがまたよい。魔法はなく、森に暮らす様々な民族の生活が細かに描かれているのも好み。辞書のような分厚さにはビビるが、続きを読んでいきたい。

2017/05/04

[鶯@芒羊會]

【図】大好きなシリーズを再読。「決して道を外れてはいけない」という言いつけを破ってしまい、深森を冒険することになる主人公トウィッグ。深森の植物や、様々な住人たちがとてもユニークで面白い。たくさんのイラストが、聞いたことも無い生き物たちを想像する手助けをしてくれる。個人的にはオオハグレグマとの1幕が可愛くて切なくて好き。トウィッグの冒険はまだ始まったばかり。続きも読みたい。

2021/07/26

[みりん]

あれ……いいＦＴなのに、読んでる人少ないものですね。作者の想像力が突出しています。発想の豊かさがすごい

2009/03/28

[Norico]

どなたかの書評で読んで、ずっと気になってた本。謎に満ちた深森。いろんなゴブリンや生き物たち。捨て子だと知ったトウィーグの冒険。オオハグレグマがかわいい。別れは辛すぎる。最後はハッピーエンドというのかな？まだまだこれから冒険が続きますよ、っていう感じの終わり方。

2023/04/23