出版社内容情報
朝、おきたら、今日も雪。「父さんは?」ときいたら、「アオバと道をつけにいったよ」。北海道の冬を舞台に、少女一家の生活を描く。
内容説明
はげしい吹雪のなか、赤あかと燃える心の灯。わたしが育った、あの日、あの風景。北海道の冬の厳しい自然と家族をえがく、少女のふゆものがたり。
著者等紹介
小泉るみ子[コイズミルミコ]
1950年、北海道美唄市に生まれる。5人兄弟の末っ子として農村で育つ。15歳の秋、母の急死で離農、札幌へ。早稲田大学文学部を卒業後、本格的に絵を志す。以降、主に児童書や教科書のさし絵の分野で活躍。主な作品に小泉るみ子四季のえほん1『わたしの好きな場所 なつの日 納屋で』(ポプラ社)、『ジスランさんとうそつきお兄ちゃん』(文研出版)、『シンタのあめりか物語』(新日本出版社)、『コカリナの海』(ひくまの出版)など多数。日本児童出版美術家連盟会員
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感想・レビュー
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KAZOO
130
冬の様子が、これまた素晴らしい色合いの絵が心にしみわたる気がします。本当に冬の感じがよく出ています。吹雪の場面もいい感じの色合いの絵です。納屋には林檎が収められていて懐かしさがあります。私もこのような木箱に入れられた林檎を送ってきてもらったのを覚えています。2016/10/14
はつばあば
60
雪は怖い。何よりも怖い。滑って転んだら・・。京都に、ほんの20㎝も積もったら私にはおおごとだ。それ以上に北海道に雪が降り積もる。目も開けてられないような吹雪。それでも日々の生活はある。命がけで学校に行く。雪の牢獄の中で「雪がとけたら、春が来たら」と願う家族。雪がうんと積もって青空が見えたら雪の上で転がってみたいとも思う。この少女がいたお陰で、小泉るみ子さんがいて、北海道の四季の素晴らしさを見せてもらえました。甥っ子も北海道の方と結婚し、子を生した今、この父親のように大らかな子育てをしていくことでしょう2016/10/23
ぶんこ
51
著者初読み。絵に迫力がありました。旅行者にとっては美しく神秘的な雪景色ですが、住んでいる人にとっての雪のおもみがが伝わってきます。猛吹雪の中児童を家まで送ってきた先生。児童の家に泊まったものと思っていたら、無事に帰れただろうかと心配しているのでびっくり。雪国の教師は大変ですね。2016/09/30
tokotoko
47
この作者の本は「バスをおりたら」を覚えています。お話が絵の中に入り込んでしまったように感じるくらい、絵に力がある1冊でした。この本もね、写真でしか出せないような色や、住まないと見れないような日常の冬をたっぷり届けてくれました。見ていると、まるでその場に立ってるようで!冷たくて澄んだ空気まで流れてきそうで・・・!!厳しくて、いっぱい制限のある冬を、たくましく過ごし、成長していく女の子とその一家の物語。寒い寒い冬が人間にくれるものは何かな・・・?今年の冬は北国に住む友達に、いーーっぱい連絡とろうって思います。2015/12/08
キラ@道北民
32
『秋は林をぬけて』が良かったので、もうすぐ来る冬に向けて覚悟するため読みました。吹雪のページは紙質もあるのか、まさにこうなるよね!という風景が描かれていました!目鼻は描かれていなくても、頬や鼻の赤さ加減で寒さが伝わって来ました。今年はどんな冬になるだろうか。2016/10/09