出版社内容情報
日本から中央アジアへ。北緯36度線上のさまざまな土地でくらす人々をたずねる心の旅を通じて、国境を越えた人間の繋がりを考える。
内容説明
東京から地球を西へ―。トウキョウ、キョンジュ、シーアン、パミール、パグマン、ヘラート、アナトリア、ボスポラス、エーゲ海、地中海、北緯36度線上にくらすひとびとをたずねる幻想の旅。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふう
76
北緯36度線にある街東京から西へ、広大なアジア大陸を超え、地中海を渡り、大西洋へと抜けていきます。1匹とふたりと1羽の大きな鳥が。どこにも美しく壮大な自然があり、人々の素朴な営みがあります。『鳥は知っています。人間が地面に線を引き、その線を何度も引き直すこと。その線を越えて生きることの喜びを。』人も、鳥のように大きな大地を見渡せたら、きっと同じことを思うかもしれませんね。以前、コーヒーのCMで流れた曲と谷川俊太郎の詩を思い出しました。地球が愛おしくなります。2018/05/02
KEI
48
北緯36度線上の東京から西へ大きな鳥に導かれて、ぼくたちと1匹の旅が始まる。見開きの頁の地図は、南北が逆さまに描かれ東京は東の端。見慣れた世界地図の概念が壊される。東京と同じ時刻、世界の人々の暮らしを俯瞰する。四合院の中庭で食事をする家族、遊牧民の姿、ラクダの背に乗り西へ向かう家族、アフガニスタンのバグマン村、破壊された町、難民キャンプ、そしてさらに西へ。人の暮らしの普遍さと、人が勝手に引いた国境という線を何度も引き直す戦いを超えて、見つける喜び、人々の繋がる事の大切さが伝わる。大人が読まなくては!2018/04/25
ちえ
37
北緯36度線上、東京から西へ大きな鳥に導かれていく旅。「世界一美しいぼくの村」パグマンの村も同じ36度線なんだ。時間と場所と共に移り変わる風景と人々の生活。地面に線を引くのは人間だけ。自然の生き物は人間が引いた線を自由に越えて行く。表紙裏の地図と裏表紙手前の子供達の笑顔が絵と共に心にゆっくりと染みてきました。2019/10/26
ベル@bell-zou
24
東京と同じ緯度上の街を訪ねる旅。アジアはこんなにも広く個性に満ちている。”せかいいちうつくしい ぼくの村”も36度線上。そうかぁ…。案内役が鳥ということが『日の鳥/こうの史代』を連想する。鳥には人間の決めた"線"など無意味。俯瞰することの尊さを感じた。2018/04/09
booklight
23
トウキョウ19:30~ジブラルタル海峡12:00を描いていく。同じ北緯でも、時間が違っていて、地域が違っていて、時代性も違っているのが、なんだか不思議。でも確かに、どこも人の生活が続いているのが、地球の歴史のようにも思えてくる。2023/11/12