出版社内容情報
徳川吉宗の時代、鹿児島から乗った船が漂流しロシアに漂着。21才で亡くなる前3年間で日露辞典を6冊作った実在の少年ゴンザを描く。
内容説明
薩摩の少年ゴンザ。享保十三年(1728年)大坂に向かう船に乗った十歳のゴンザは、薩摩の港をあとにした。ところが、その船は嵐に遭い、半年あまり太平洋を漂流し、ロシアのカムチャッカに漂着した。ゴンザは、二度と日本の土を踏むことはなかった。元文四年(1739年)二十一歳の若さでなくなるゴンザは、わずか三年あまりで、それまでに覚えたロシア語を使い、露日辞典など、六さつの著作を書き遺す。数奇な運命をたどるゴンザ。遠いふるさとを離れた異郷の地で、ゴンザの胸に去来するものは…。
目次
プロローグ
薩摩の海の潮騒
異郷での子守唄
ゴンザよ、命の星を覚えておけ
憧れの海の男、ソウザ
名工船源の帆船若潮丸
帆檣に落雷
神のみが知る明日の運命
ゴンザ、折れた帆檣に日を刻む
正月の夢と鴎〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
還暦院erk
6
図書館本。コメニウス『世界図絵』日本語版を去年読んだ時、ロシア語版からこれを訳した最初の日本人、ということで知った「ゴンザ」。石森さんが児童小説仕立てにしているので本書は史実通りというわけではないが、ゴンザ遭難以降の10年間を思うと泣けた。勇気ある小さな国際人に合掌。2016/01/17
きりだんご⭐️新潮部
1
●図書館2018/10/22
えすてい
1
江戸中期に薩摩から出港し遭難・漂流の末ロシアに流れ着いたゴンザとソウザ。シベリアを横断しペテルブルグで女帝に見初められ、露和辞典の執筆に勤しむが、わずか21歳で異国の土となった。児童向けで史料が乏しいためか想像上のエピソードが多いが、壮絶な人生を感じさせてくれる。
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