内容説明
今、南アフリカ共和国で起きていること、それは肌の色が黒いという理由での“人種隔離政策”。住居も、学校も、駅や郵便局など公共設備も白人とは別べつ。そのアパルトヘイトの長い歴史、仕組み、著者が南アでの取材を通して伝える過酷な現状、子どもたちの生活、廃絶と自由へのたたかいの日々、そして将来を鋭く追求する。
目次
ソウェト蜂起
南アフリカ共和国の歴史
アパルトヘイトの仕組み
アパルトヘイト下の子どもたちの生活
アパルトヘイト廃絶をめざしてたたかう人びと
南アフリカ共和国とまわりの国々
たかまる国際世論と日本
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐保(さほ)
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すばらしい本。やさしい語り口ながら現実をしっかり見据え、アパルトヘイトが実際に行われていた頃の実情を語る。また著者の思いが非常に濃く伝わってくる。「ほんとうは、人間は、肌の色をとわず、みんな同じ感情、怒り、喜び、悲しみをもっているのです。」(157㌻)それだけなのだ。今となっては、少なくとも日本では人権に関する意識は高く、中学生である私は平等であるという教育を受けて育ったので、当たり前のように、『みんな同じ感情を持っているのです』ということがわかる。そんな簡単なことがわからなくなってしまっていたのだ。2011/02/12