出版社内容情報
さんごをもつことを許されなかった時代、土佐の海辺を舞台にくりひろげる、少女おりのと猟師与吉の悲しい愛の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Maybe 8lue
34
足摺岬テルメにて。土佐のお殿様はいつの代もひどかったがやね~、やき土佐人は山内家を嫌う人が多いがよ。おりのも珊瑚さえ見つけんかったら、猟師に渡さんかったら、歌わんかったらねぇ。猟師も珊瑚らぁ磨きゆう場合やないわえ!!二人の死を招いた珊瑚で着飾ったお姫様のその後が気になるちや…。2016/08/04
み
16
押し入れのお片づけ中に手に>_<フランダースの犬とこの作品が小学生時代の個人的なベストです。課題図書で読んだ時は理解が甘かったのでしょう、六年生の時に再読して涙腺大掃除、何十年も手元に置いてます。2015/04/06
みさどん
14
しんみりくるお話。貧しい者は飾り物とは無縁の生活。好きな人を恋い焦がれることさえ許されないのか!と哀しみが漂う。サンゴの価値はそれを感じないものにはただの海からの石っころ。欲しいのは人が居てくれることだけなのに。昔は民の命や価値などはとてもとても小さかったのだと思わされる。大人になって、着飾るものを欲しいと思わなくなる時は来るものだ。いい歳になったら、満ち足りるのは飾りたてることからではないもの。そぎ落とした生活というものを考えてしまった。2015/10/22
ツキノ
8
図書館の書庫の絵本を読もうキャンペーン・22 土佐のわらべうたを元にした創作絵本。松谷みよ子さんと井口文秀さんによるもの。悲劇…とてもよかった。書庫の絵本はやはりあなどれない…!2017/04/29
ヒラP@ehon.gohon
6
じいやんと二人暮らしのおりのが浜でひろった「ももいろさんご」。 おりのにとってはただ美しいということで意味のあるさんごなのに、貧しいものは手にしてはいけないのだろうか。 じいやんの病に必要とした「くまのい」をくれた漁師の与吉。 山の者と海の者は一緒になることはできないというしきたりがある。 今では想像のつかない昔社会。 権力者は弱者を搾取していたのですね。 そんなことを知らずさんごを手にしたお姫様も哀れです。 そんな中で、おりのも若者も自分にとても正直で純粋でした。 悲し過ぎますが、とても美しい話です。 2009/09/04