内容説明
1979年のソ連によるアフガニスタン侵攻とともに米ソ間のデタントの時代は完全に終わり、両国は本格的に新冷戦に突入したとされる。本書は、新冷戦に至る国際史的な変化と、それと並行して出現しつつあったグローバル化として知られる世界規模の諸変化との関係性を問い、冷戦期に形成された国際秩序が冷戦終焉に向けて変容し始める過程を、実証的かつ総合的に解き明かす。
目次
グローバル化する世界と新冷戦の始まり
第1部 グローバル化と西側同盟の揺らぎ(西独シュミット外交と独米関係―人権問題をめぐる西側同盟の協調と対立;ユーロミサイル危機と英独関係―NATOとECをめぐる西側同盟内の協調と対立;グローバル化する東欧とアメリカ―デタント・東西貿易・債務問題 ほか)
第2部 グローバル化と南北関係の揺らぎ(冷戦と南北問題―新自由主義的グローバル化の背景としての東・西・南関係;冷戦期フランスの第三世界援助政策―ヨーロッパ統合とグローバル化への対応;カーター政権の南部アフリカ政策とデタントの終結―シャバ、アンゴラ、オガデン戦争の連環と領土保全原則の浸透 ほか)
第3部 グローバル化と価値・イデオロギーの揺らぎ(「人権の国際化」と東ドイツ―ヘルシンキ宣言がホーネッカー政権に与えた影響;カーター政権のパナマ運河政策―人権外交と反米ナショナリズム;中国の変化は冷戦下の世界にいかなるインパクトを与えたか―改革開放政策がもたらした国際的な思想的影響 ほか)
著者等紹介
益田実[マスダミノル]
1965年山口県生まれ。1994年京都大学大学院法学研究科博士後期課程中退。博士(法学)。現在、立命館大学国際関係学部教授
齋藤嘉臣[サイトウヨシオミ]
1976年福岡県生まれ。2005年神戸大学大学院法学研究科博士課程後期課程修了。博士(政治学)。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科准教授
三宅康之[ミヤケヤスユキ]
1969年兵庫県生まれ。2000年京都大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(法学)。現在、関西学院大学国際学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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