目次
第1部 「再国民化」の視角(欧州金融・債務危機と「再国民化」―「小文字の統合」の論理とその逆説;エスノ・リージョナリズムの隆盛と「再国民化」―「国家」・「国民」の分解か「礫岩国家」化か;福祉政治における「再国民化」の言説―福祉ツーリズム、福祉ポピュリズムをめぐって;リベラルなヨーロッパの憂鬱―EU市民権と移民をめぐる一考察)
第2部 ナショナリズムと「再国民化」の諸相(「再国民化」と「ドイツのための選択肢」―移民問題およびユーロ問題との関連で;Pegida現象と「現実にある市民社会」論;英国におけるナショナル・アイデンティティ論―どういう意味での「再国民化」論が可能か;フランスの「欧州懐疑主義」と「再国民化」―「国家主権」をめぐる攻防;植民地からの引揚者をめぐる政治―ピエ・ノワールと脱植民地化後のフランス;オーストリアの移民政策―最終目標としての国籍取得;スウェーデンにおける「再国民化」と民主政治のジレンマ)
著者等紹介
高橋進[タカハシススム]
龍谷大学法学部教授
石田徹[イシダトオル]
龍谷大学政策学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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taming_sfc
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2016年3月の近刊。ヨーロッパ諸国の政治状況を「再国民化」、つまり外に向けては国家中心主義、内に向けては移民排除という形でのナショナリズムの興隆、を中心概念として取り上げている。そして、その過程において、国家の枠組みの再編と国民の再定義が模索されている、という共通理解がある。本書で扱うトピックや地域は幅広い。金融危機、福祉、リベラリズム、ドイツの右翼、英国のアイデンティティ、フランスのFNなど。欧州に関心のある大学生であれば、どれか、興味関心のある章にぶつかるのではないか。読後感の爽快な良書である。2016/08/30