目次
ノンエリート大学生のキャリア教育の課題―「適応」と「抵抗」
第1部 大学におけるキャリア教育論の実践と課題―「適応」と「抵抗」の側面(ボーダーフリー大学生が学習面で抱えている問題―実態と克服の途;やる気に火をつけろ!―読売新聞「大学の実力」調査から;ノンエリート大学生の労働者の権利に関する理解―キャリア教育における労働者の権利教育の実施に向けて;権利を行使することの困難と希望―NPO法人「きょうと労働相談まどぐち」と労働問題講座)
第2部 大学外部におけるキャリア支援の取り組み―「承認」と「参加」の側面(ノンエリート大学生を対象としたキャリア教育の射程―生活実態に根差した“キャリア教育/支援”に向けて;地域若者サポートステーションによる高校アウトリーチが示唆するもの―キャリア支援と心理支援の融合の重要性;教育的アプローチによる自立支援の課題―「子どもの貧困」問題を通して;これからのノンエリート・キャリア教育の展望―「承認」と「参加」に向けて)
著者等紹介
居神浩[イガミコウ]
神戸国際大学経済学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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田中峰和
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90 年代以降、選抜性の低い大学を中心に,多様な若者達が大学生となる現象が生じた。かつてのようにエリートを輩出する機関としての大学を論じられなくなった。つまりノンエリートを社会に供給する機関としての大学を論じる新しい概念が必要になる。学力以前の学ぶ姿勢も身につかない周辺的な学生を擁するマージナル大学では、教員に対して「研究者」であることを求めない。就職に役立つことだけ教える「教育者」を求めるのだ。そこで指導する教員はどのようにして教育的貢献ができるのか。コロナ禍のなか、非正規雇用は周辺的大学から生まれる。2015/06/06