内容説明
政治思想は人生の知恵の宝庫である。マキャベリからサンデルまで西欧近現代を代表する14人の思想家。
目次
「政治思想史」で何を学ぶか?
マキャベリ―新しい国家観の誕生
ホッブズ―なぜ人々は国家を形成するのか
ロック―政府は何のために存在するのか
ルソー―なぜ社会契約が必要なのか?
スミス―経済的自由主義の定式化
カント―「啓蒙」と「世界市民」
ベンサム―功利主義と統治
ミル―個性と自由
アーレント―全体主義に抗する複数性の政治
バーリン―多元主義と自由
ロールズ―社会協働と正義の原理
ハーバマス―公共性と正統性の政治理論
ノージック―最少国家の擁護
サンデル―公共性と共和主義
著者等紹介
仲正昌樹[ナカマサマサキ]
1963年広島生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。現在、金沢大学法学類教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たばかる
16
マキャベリ/ポップス/ロック/ルソー/アダムスミス/カント/ベンサム/jSミル/アーレント/バーリン/ロールズ/ハーバーマス/ノージック/サンデル の政治思想をさらっと論ずる。スミス政治方面まで手を伸ばしていたのは知らなかった。その他色々な情報の補完になった。2020/12/29
Moloko
2
政治思想上(民主主義や自由論中心)で重要な人物を14人ピックアップして、彼らの思想を15ページ近くで簡潔にかつじっくり紹介していてなかなか面白い本だったし、入門者でも興味を持って読めると思う。思想史的な網羅性は犠牲にしても一人の政治思想の全体性を優先することで、それらの議論の手堅さも理解できるし、「教科書」的ポジションにある類書が重要なことと要旨だけさらっと書いて議論の面白みを削ぐようなことはなかった。また各章の分担により精緻な議論がされ、スミスが労働者への教育などの公共事業を主張した箇所も紹介されていた2017/01/28
えむ
0
近現代を代表する14人の政治思想家を概説。分担執筆らしく、章によって多少読みやすさの差を感じたが、基本的な概念はほぼ確実におさえられており、手堅い1冊だという印象を持った。2017/06/23
kozawa
0
タイトル通り「マキャベリからサンデルまで」。まえがき曰く、ヘーゲル、マルクス、ヴェーバー、フーコーを避けたとのこと。正義とか自由とか中心。まぁサンデルで終わってる所にも現れているのかもしれませぬが。2013/04/07
マウンテンゴリラ
0
このような良質の政治思想解説書を、もっと若いうちに、きちんと読んでおくべきだったと思わせる内容であった。と共に、我が国における、政治的関心度の低さと、おそらくそれに起因する政治家のレベルの低さは、少なくとも先進国中最高レベルと言って差し支えないと思うが、国の歴史、伝統による面も大きい感じさせられた。もちろん本書が、冒頭で著者(編者)が言われるように、自由、平等、民主主義、と言った、近代以降の価値観を基に選定された政治思想であることを思えば、伝統的蓄積という面で、やむを得ない面はあるだろう。→(2)2023/01/20