目次
第1章 安全保障の不平等性
第2章 サンゴ環礁世界の絆
第3章 リスクを見せる―原状回復のための集団避難
第4章 リスクを訴える―アメリカへの賠償請求
第5章 リスクに立ち向かう―「帰還プロジェクト」
第6章 リスクを生きる―帰還プロジェクトのローカリゼーション
著者等紹介
中原聖乃[ナカハラサトエ]
1965年山口県生まれ。現在、中京大学社会科学研究所特任研究員。短大卒業後一般企業に勤めながら、大阪外国語大学二部外国語学部を卒業。のちに神戸大学大学院総合人間科学研究科博士後期課程修了(学術博士)。専門は文化人類学、平和学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
5
社会学では、ベックのリスク社会、ギデンズの再帰的近代化を引きながら、社会問題である汚染問題に切り込む。文化人類学では、リスクで括る研究蓄積があるという(はじめに より)。被曝や(人為的な)風評被害でいじめに遭うという理不尽(第1章、および105頁)。放射能にいじめられ、さらにいじめられるという二重のいじめに遭う悲惨。アメリカにはホームレスがいるが、マーシャル諸島にはいない(47頁)。どちらが豊かな社会なのかと思わされる。放射能を巡っても負のリスクでグローカル化している貴重な事例分析。タコノキ羊羹は魅力的。2013/05/13