内容説明
近年相次いで明るみに出た冤罪事件。裁判員制度のもとで、刑事裁判最大の不幸=冤罪を防ぐことができるのか?長年にわたり刑事裁判官をつとめた著者が、自身の経験を通して「冤罪を生む構造」を明らかにし、事実認定適正化の方途を説得的に展開する!書き下ろし「補論 足利事件について」を収載。
目次
第1部 刑事事実認定のあり方(刑事事実認定の理想と現実;刑事事実認定の基本的あり方;不意打ち認定と訴因―昭和六三年判例への疑問;自白の任意性判断などに関する提言―平成一二年の二つの裁判例を題材として)
第2部 取調べの可視化と捜査・弁護のあり方(取調べの可視化について;鹿児島選挙違反事件(志布志事件)にみる密室取調べの弊害
隘路の中の刑事弁護―現状を打開する方策はあるか)
第3部 裁判官のあり方(証人尋問と裁判官の役割―聞き手としての裁判官と供述の引き出し役としての裁判官;求められる裁判官の資質などについて;裁判員裁判における裁判長の訴訟指揮はいかにあるべきか)
補論 足利事件について
著者等紹介
木谷明[キタニアキラ]
昭和12年12月15日神奈川県平塚市にて生まれる。昭和36年東京大学法学部卒業。平成16年4月より法政大学法科大学院教授。昭和36年4月司法研修所入所(第15期)、同38年判事補任官(東京地裁)。同41年最高裁刑事局付、同48年同地裁判事、同50年名古屋地裁判事、同53年同高裁判事職務代行、同54年最高裁調査官、同59年大阪高裁判事、同63年浦和地裁判事部総括、平成4年東京高裁判事、同6年東京家裁判事部総括、同8年水戸家裁所長、同9年水戸地裁所長、同11年東京高裁判事部総括を経て、同12年5月退官、同年6月公証人(霞ヶ関公証役場)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。