内容説明
現在、事業者と消費者の間にはかつて経験したことのない新しい現象が生じており、それに伴って深刻な紛争が多発している。そこで紛争に現われた社会関係を整理して、それらを法の世界においていかに捉らえるべきかを考察。さらに、事業者と消費者が直接向い合う場での行為規範は、日本ではようやく、今、整備される時期に至ったといえ、そこで契約と民事責任に関する解説を行う。消費生活をめぐる取引法と責任法を明らかにするとともに、社会生活の変化に応じた法動向にも言及。そして、消費者の自己責任が声高に強調されているが、そうした責任を問うだけの社会環境や法状況が現在の日本では整備されているのかという点についても言及する。
目次
第１編 消費者問題と消費者法（消費者法とは何か；安全の確保と法的責任；市場環境と競争秩序の整備）
第２編 消費者契約・民事責任法（消費者契約と民事法；特定商取引；不動産取引 ほか）
第３編 消費者の権利実現の仕組みとルール（権利実現の仕組みと実体法のルール；権利実現のための民事手続；権利実現のための行政的規制）
著者等紹介
長尾治助［ナガオジスケ］
立命館大学教授・弁護士
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
