内容説明
チェルヌィシェフスキーは日記をあたかも自己の思想形成の告白の日記として、突如1848年5月から綴り始め、大学を卒業して郷里サラトフに帰るまで書き続ける。本書は主としてこの日記を素材にして、この作業を当時のロシアの知的雰囲気とロシアの伝統思想とを織り合わせて詳細に分析し、あわせて、チェルヌィシェフスキーがラジカルな社会主義者として誕生し、出立する雄々しい姿を描きあげる。
目次
第1章 チェルヌィシェフスキーの思想形成
第2章 農民社会主義の誕生とロシア農村共同体
第3章 チェルヌィシェフスキーの歴史哲学の確立
第4章 「勤労者の理論」の提唱
終章(要約)
付論 チェルヌィシェフスキーの人間学