内容説明
アクションリサーチという言葉が出まわるずっと前からそれぞれ異なるテーマと現場に取り組み、平和学を共通項として出会った八名の研究者の「平和学の現在」を描き出す共同作業として本書は生み出された。平和学に関心をよせる人びとへの手引きであるとともに、冷戦時代に形成された従来の平和学をアップデイトする試みでもある。
目次
第1部 平和学とは何か(平和学の起源とその構想;平和学の方法)
第2部 21世紀の平和学(平和―戦争の不在から暴力の不在へ;構造的暴力と積極的平和 ほか)
第3部 平和学の対象(ヒロシマ・ナガサキ;核廃絶と軍備撤廃 ほか)
第4部 地球市民社会の創造をめざして(正戦論;地球民主主義の芽 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミギノコウザエモン
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世界がきな臭くなるたびに読み返してきた本の一つである。国際関係学と平和学は似たような顔を持つが、前者は政治経済をメインに、時に地政学や歴史学の視点を織り交ぜるのに対し、後者は前者の視点に加え、環境・文化・社会学・自然科学・保健学などさまざまな視点から、問題の本質に迫っていく学問である。ご存じの通り現代社会は時の経過とともに混迷を深めており、問題解決のためには複数(当然二つ以上、時に三つ以上)の視点を持つことが不可欠である。しかし、そのことの気がついている専門家はまだ少ないのが現状である。 2015/12/28
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