目次
序章 医療ソーシャルワーカーのあなたに
1 今日の生活危機と医療ソーシャルワーカー(母性問題の危機的状況とソーシャルワーカーの役割;都市における精神病者の労働と生活;今日の雇用政策の危機と社会復帰活動―精神病院におけるワーカーの活動を通して;地域の貧困の進展と老人問題―要介護老人のかかわりを通して;成人期障害の生活危機と医療保障―難病患者への関わりを通して;終末期がん患者と家族の生活状態―社会福祉労働者の視点から)
今日の社会福祉政策動向の批判(「福祉見直し」から「福祉改革論」へ;「福祉改革論」の特徴;現代の支配と福祉政策;何に途を開いているのか)
3 医療・保健分野における「福祉労働」の意味と課題(医療福祉をめぐる情勢と「福祉労働」;保健・医療分野における「福祉労働」の社会的性格と意義;シンポジュウム 医療福祉労働論の展開―医療ソーシャルワーカー像の形成をめぐって)
感想・レビュー
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ゆう。
7
1989年初版。医療現場で働くソーシャルワーカーが対象とする社会問題・生活問題は、資本主義社会の中で必然的に生み出されるものです。それを正しく認識しつつ、医療現場でソーシャルワーカーが専門性を発揮するためにはどうすればいいのか、事例を含めながら考えられる本となっています。今日においても、社会福祉士や精神保健福祉士は名称独占とは言え国家資格がありますが、医療ソーシャルワーカーの国家資格は存在しません。現実の制度批判としての社会福祉学を大切にしつつ、専門性と資格を統合的に考えることが重要だと述べられています。2014/09/25